骨代謝マーカー

保険収載されている骨代謝マーカー

骨形成マーカー
 血清BAP(CLEIA)
 血清BAP(EIA)
 血清PINP
 
骨吸収マーカー
 居中DPD
 居中NTX
 血清NTX
 尿中CTX
 血清CTX
 血清TRACP-5b


マトリックス関連マーカー
 血清ucOC    


現在、骨粗鬆症に対し保険収載されている骨代謝マーカーは、全部で9種類あり、保険診療上は骨粗鬆症治療薬を決定する際に1回、さらに治療開始3〜6カ月後にその効果を判定するために1回、それぞれ1種類ずつの骨吸収マーカーと骨形成マーカーを測定することができる。

マトリックス関連マーカー
骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用ガイドライン2012年版』では,従来の吸収と形成マーカー以外に骨マトリックス関連マーカーとして,低カルボキシル化オステオカルシン(undercarboxylated osteocalcin:ucOC)が追加されている。
オステオカルシン(osteocalcin:OC)は,骨芽細胞から産生され,一部はビタミンK依存性にカルボキシル化されることで骨基質に取り込まれ,カルボキシル化を受けなかったOCはucOCとなり,血中に放出される。

ビタミンKにはビタミンK1とK2分画が存在し、いずれも骨代謝に正の作用を有することが知られているが、その作用はビタミンK2でより強い。
ただ,ビタミンK2の血中濃度は極めて低く、絶対値として測定表現が困難である。
そのため,ucOCがビタミンK依存性の骨基質脆弱性を反映することから,ucOCがビタミンK充足状態を示す骨マトリックス関連マーカーとして利用されている。

代謝マーカーの基準値
代謝マーカーは閉経前後期に上昇のピークを迎えその後はそのまま高値にて経過する。原発性粗鬆症のほとんどは閉経後粗鬆症であるため、骨代謝マーカーの基準値と言えば、閉経前健常女性(30 〜 44歳)の平均値の士1.96 SD 値が示されるのが一般的である。


参考
骨粗鬆症 〜 診断と治療のABC」  最新医学社