太り過ぎもやせ過ぎも、がんのリスクを高める

太り過ぎとやせ過ぎ、がんのリスクを高めるのはどちら?

 一般に「太り過ぎ(肥満)」が健康によくないことは広く知られている。

万病のもととされている肥満だが、実はがんのリスクも高める。

 

国立がん研究センターが科学的根拠に基づいて発表している「がんリスク評価」でも、肥満があるとすべてのがんにおいてリスクが高まる「可能性あり」となっている。

なかでも、閉経後の女性の乳がんは「確実」にリスクが高まり、大腸がんと肝臓がんも「ほぼ確実」に高まるになっているのだ。

子宮内膜(体)がん、閉経前の乳がんについては、リスクが高まる「可能性あり」としている。

 

肥満は、インスリン抵抗性を引き起こしたり、体内に慢性の炎症状態をつくったりする。また脂肪組織では女性ホルモンのエストロゲンが生成されるため、乳がんや子宮体がんリスクが高まる。

さらに、肥満によって胃液が食道に逆流しやすくなり、食道がん(腺がん)リスクを高めてしまう。

 

太り過ぎだけでなく、やせ過ぎにも注意

「私はやせているから大丈夫」と思っている人がいるかもしれないが、それは間違いだ。

実は、やせ過ぎもまた、発がんリスクを上げてしまう。

つまり、太り過ぎでもやせ過ぎでもがん罹患リスクが高くなるのだ。

中高年でやせ過ぎの人は低栄養状態であることが多く、がん細胞や感染症に対する免疫機能が弱っている可能性がある。

 

肥満を目の敵にするあまり、中高年でもダイエットをする人が増えているが、特に高齢者は低栄養によるやせ過ぎに注意すべきだ。

低栄養は、さまざまな病気を引き起こし、寝たきりの要因になっている。

若いときに比べて、摂取したたんぱく質の利用効率が落ちている高齢者では、特にたんぱく質を多く含む肉や魚を意識して食べるようにしよう。

 

中高年期男性の適正BMIは21~27、中高年期女性では21~25だ。

この範囲に収まるよう、食生活や運動によって体重管理をしたい。

 

参考・引用一部改変

日経Gooday 2019.10.21

 

<関連サイト>

BMIと発がんリスク

https://wordpress.com/post/aobazuku.wordpress.com/651