老化の元凶「糖化」、適量の日本酒やワインが抑える?
誰もが気になる「老化」。その主犯の一つとして、今注目されているのが「糖化」だ。
皮膚の老化はもちろん、骨粗しょう症や動脈硬化症、認知症などにも影響するというから放置してはおけない。
この怖い糖化、糖質のとり過ぎだけでなく、お酒の飲み過ぎでも進行する。
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最近、老化の主犯の一つとして何かと話題になる「糖化」。
糖化によって生成されるAGEs(糖化最終生成物)が体内に蓄積していくと、肌の老化が進み、老けて見えるようになるだけでなく、骨粗しょう症や動脈硬化症、認知症などの発症・進行にも影響を及ぼす。
糖化は、老化や疾患に関わる危険因子なのだ。
糖化が今話題のトピックスで、老化を遅らせたいと思っている人は注意すべき、ということは知っている人は多いが、まさかここまで広範囲に影響を及ぼすものだとは思ってうない人がほとんどだ。
糖化リスクを抑える対策には二つある。
第一の対策は、食後高血糖を抑えること。
意識さえすれば今日からでもすぐに実行できる。
糖化は体内の余分な糖とたんぱく質が結合して起こる。
つまり、糖化を抑制するには、体内に余分な糖があふれないようにすればいい、つまり第一の対策は「食後高血糖対策」だ。
具体的には、食後の血糖値を急激に上げないようにすることが大切になる。
食後に、血糖値が急上昇することを食後高血糖(血糖値スパイク、グルコース・スパイク)と言うが、実はこのとき、アルデヒドも同時に生成されていることが分かっている。
つまり、食後高血糖を抑えれば、糖化の進行を抑制することができる。
対策はいくつかある。
まず、食後の血糖値を上げにくい食品、具体的には「低GI」の食品を選ぶようにするといい。
GI (Glycemic Index)は、食後の血糖値の上昇度合いを示す指標。
数値が小さいほうが血糖値の上昇が穏やかになる。
例えば、「白米より玄米」「うどん・そうめんよりそば」のほうがGI値が低いので食後の血糖値が上がりにくくなる。
そもそも摂取する主食の量を減らすのが手っ取り早いと考えるのは早計だ。
確かに、摂取する糖質量を減らすこと(糖質制限)はダイエットや食後の血糖上昇を抑制する方法として注目されている。
しかし、極端な糖質制限はリスクも考えられる。
その人の体形や生活習慣にもよるが、減らす場合はまず普段食べている量よりも20~30%減くらいを目安にするといい。
そして、「主食と一緒に食べるもの」と「食べ順」がとても重要となる。
ごはんやパン、うどんなどの主食(糖質)をとる前に、野菜や肉、卵などの主菜、副菜を先に食べるようにすると血糖値が上がりにくくなる。
食物繊維やたんぱく質、油が血糖値上昇を抑えるのだ。
野菜を先に食べる「ベジタブル・ファースト」は、体にいい食べ方としてよく知られている定番の方法だ。
ベジタブル・ファーストには、注意したいポイントがある。
それはドレッシングをうまく活用すること。
ベジタブル・ファーストというと、生野菜をそのまま食べればいいと誤解されがちだが、ドレッシングの存在も重要だ。
野菜に含まれる食物繊維にも血糖上昇を抑える効果が期待できるが、ドレッシングに含まれる酢や油も糖の吸収を緩やかにしてくれる。
もちろんかけ過ぎは禁物となる。
パンやおにぎりなど、炭水化物を単体で食べるのを控えるのもポイントだ。
ある研究では、素うどん(かけうどん)より温玉うどんやサラダうどん、ごはん単独より牛丼のほうが食後の血糖値が上がりにくいことが確認されている。
「ヨーグルト・ファースト」もお勧め
食べ順を変えることは、すぐにでもできることなので、即実践したい対策だ。
さらにもう一つ、面白い対策がある。
食事の前にプレーンヨーグルトを食べる、『ヨーグルト・ファースト』を心掛けてみてみるとよい。
食事の前にヨーグルト!?
これは初耳。
ヨーグルトは食後にとるのがいいと思っていたけど、最初に食べるとどんな効能があるのでしょう?
ある研究から、白米を食べる前にプレーンヨーグルトを食べたグループは、白米だけのグループに比べ、食後血糖値の上昇が抑えられることが確認できた。
ヨーグルトが食後血糖値の上昇を抑える働きは2つある。
1つは乳酸の働きによって、胃から小腸へと移動する速度を緩やかにすること。
そしてもう1つはヨーグルトに含まれるホエイ(乳清)に含まれているペプチドが血糖値の上昇を抑制するホルモンであるインスリンの分泌を促進するのだ。
この2つの働きによって、血糖値の急上昇が抑えられると考えられる。
1回に食べる量は100~200gを目安にしたい。
ただし、選ぶのはプレーンヨーグルトだ。
砂糖をかけて食べたり、加糖タイプのヨーグルトを選んでは意味がなくなってしまう。
プレーンヨーグルトならコンビニでも入手できるし、思い立ったらすぐできる。
そのまま食べるのはもちろん、サラダのドレッシングに利用してもいい。
参考・引用一部改変
日経Gooday 2018.11.16