「糖化」を防いでアンチエイジング

  血糖値の急上昇は禁物 「糖化」を防いでアンチエイジング



肌のくすみやたるみが気になったり、「老けたんじゃない」と言われてショックを受けたりした経験はないだろうか。
その主な原因は、からだの「糖化」にある。
健康を維持しつつ、若々しい肌を保つための「抗糖化」について、何に気を付ければいいのでだろうか。

   


牛乳と卵に小麦粉、砂糖で作るお菓子を焼くと、褐色の焦げができる。
その焦げが「糖化」の例え、と言えばイメージはしやすいだろう。
食事で取り入れた糖分のうち、エネルギーとして使い切れなかった糖が体内のたんばく質と結びつき、「AGES」(たんばく糖化反応最終生成物)という老化物質を生成する。
これが糖化だ。
AGESは体内のたんばく質の機能を落とすなどして、肌のくすみやたるみなどの原因になる。
内臓の働きを低下させたり、動肝硬化を進めたりするぼか、アルツハイマー病などとの関連も指摘されている。


なぜ糖化するのか。
この間題について、2007年の日本抗加齢医学会の講習会で初めて 「抗糖化」という言葉を用いた、
糖分の取りすぎが何より大きい。
新陳代謝が下がっていく30代以降は、糖化に拍車がかかりやすい。


糖化を防ぐには甘い物や炭水化物の取りすぎを避けることはもちろん、血糖値を急激に上げない食事の仕方も重要だ。
抗糖化のためには「食べる順番」が重要だ。

  

 

とんかつ定食を例に取ると、最初に食べるのはキャベツ。
次に野菜系の小鉢に行き、汁物を挟んでメーンのとんかつへ。
最後にご飯だ。
一品ずつ食べ切る「懐石料理食べ」が理想だが、これではいかにも味気ない気もする。
ただ最初に野菜を食べただけでも糖質の吸収率、血糖値の急激な上昇を防げる。
何を食べるかより、どんな順番で食べるかが重要だ。
食事の際は常に「ベジタブル・ファースト」を念頭に置くといい。


糖分過剰摂取は老化に影響を与える。
昨年、茶や野菜、発酵食品、フルーツの計524の食材から抗糖化活性を持つものの調査結果が出た。
玄米茶やモロヘイヤなどに、高い抗糖化作用があることが分かってきた。
特に野菜については、211サンプルのうちの約9割に抗糖化活性があった。
野菜の重要性を改めて知るデータで、特に緑色の濃い葉野菜は働きが強い。


糖と蛋白質が結びつくメカニズムは複雑多岐にわたり、どの食材がどの過程で有効に作用するかなどまだまだ不明な点は多い。
今後は漢方薬や、違う食材を掛け合わせた際の効果などにも研究は広がっていく方向だ。


<関連サイト>
「糖化ストレス研究会」
http://www.toukastress.jp/
(抗糖化についての研究や講演会などの情報を発信)


 

「日本抗加齢医学会」
http://www.anti-aging.gr.jp/
(抗糖化を含めたアンチエイジング全般についての情報を入手できる)

 

参考・引用
朝日新聞・朝刊 2014.9.20