突然片耳が聞こえにくく 突発性難聴の見分け方

突発性難聴の見分け方

あるとき突然耳の聞こえが悪くなる「突発性難聴」は、40代、50代を中心に年間3~4万人が発症する。

突発性難聴の症状は突然現れる。

昨日までは普通に聞こえていたのに、朝起きたら急に聞こえにくくなっていたりする。

とんどの場合、『〇時ごろから聞こえなくなった』と言えるくらい、本人もはっきり自覚できる。ただし、難聴が軽度の場合は自覚するのが遅れることもある。

 

高齢者に多い「耳が遠くなる」現象(加齢性難聴)は両側の耳に生じるのに対し、突発性難聴は片側の耳だけが悪くなる点も特徴だ。

また、加齢性難聴は高い音(高い周波数)から聞こえにくくなるが、突発性難聴では低い音が聞こえにくい人もいれば、高い音が聞こえにくい人、全体的に聞こえにくい人もいる。

難聴以外にも、耳鳴りや耳の閉塞感、めまいなどの症状も現れることがある。

めまいを感じる人は重症度が高いほど多く、特にグレード4(突発性難聴の重症度分類で最も重い高

度難聴)の人に見られる。

 

突発性難聴の原因は、鼓膜のさらに奥にある「内耳」の血流障害やウイルス感染、ストレス、など諸

説あり、実際のところまだ解明されていない。

実際には、ストレスや疲れ、睡眠不足からくる患者さんが多い。

持病の有無はあまり関係なく、いつ誰がなってもおかしくない病気だと考えたほうがいい。

 

性差もそれほどないようだ。

医療機関によっては男性に多いといわれるが、実際には男女比は半々程度。

年齢は、働き盛りの40代、50代に多い傾向があるが、30代で発症することもある。

 

48時間以内に受診しないと治りにくくなる?

突発性難聴は、発症したらできるだけ早く治療したほうが早く治り、治療成績も良く、時間がたてばたつほど治りにくくなる。

一般的には「48時間以内に受診しないと治りにくくなる」とも言われているが、その数字にあまりこだわらなくていい、という考えもある。

1週間以内に受診すればグレード4の高度難聴でも治るというデータもあり、最悪1カ月近くたってし

まってからの受診でも、治る可能性はある。

 

突発性難聴で聴力がどのくらい低下するかは人によってさまざまで、軽い難聴からほとんど聞こえな

い状態まで、重症度は4段階に分けられている。

比較的軽症のグレード1・2なら7~8割は治るが、グレードが上がると治りにくい人が増える。

ある研究では、グレード3で治癒が2~3割、グレード4で治癒が約1割という結果だった。

 

いずれにしろ、耳の聞こえに異変を感じたら、できるだけ早めに耳鼻科を受診し、詳しい検査を受け

よう。

 

参考

突発性難聴の聴力改善度は、完全に治ることを「治癒」、平均30dB以上改善することを「著明回

復」、10~30dB未満の改善を「回復」、10dB未満の改善を「不変」と判定する。

 

参考・引用一部改変

日経Gooday30+ 2021.2.7

 

コメント

最近、当院の職員が突然片耳が聞こえにくくなりました。

相談を受けて、当然のことながら突発性難聴を疑いました。

休日を挟んでのことだったのでヤキモキしたのですが、休み明けに日頃お世話になっている耳鼻科に紹介。

診察を受けた時点で48時間が経過。

先生も聴力などの諸検査を検査技師に指示されたのですが結果は異常なし。

最後に鼓膜を診察して鼓膜に付着した耳垢があったとのこと。

「ごめんね。最初に耳を診察しておけば検査は要らなかったね」と優しい言葉をかけられた、と本人談。

診察(理学的所見)の重要性を再認識した次第。