新型コロナワクチン 副作用や接種法は?
痛みや倦怠感 発生も どんな副作用があるの?
もっとも起きる恐れがある副作用は注射した部位の痛みで、6~9割の人にみられた。
ただ米ニューヨーク州立大学などの研究によると、日常生活に支障をきたすほどの痛みは1%未満にとどまる。
ほかには赤みや腫れ、倦怠(けんたい)感や発熱、頭痛なども起こる。
アレルギー症状であるアナフィラキシーは米疾病対策センター(CDC)の報告によると、ファイザー製では20万回に1回の割合で起こっている。
じんましんやかゆみ、息切れ、血圧の低下や意識消失などに突然襲われる。
早めにエピネフリン(アドレナリン)や酸素を投与すれば深刻な事態になりにくい。
副作用(後遺症)が起きた場合、他のワクチンと同様、医学的に因果関係があると国の審査会で認められれば、補償が受けられる。
筋肉注射、効果高く 接種の仕方は?
インフルエンザワクチンは「不活化」というタイプで、ウイルスの表面たんぱく質が入っている。
ファイザーやモデルナ製の新型コロナワクチンは遺伝情報物質の「mRNA」を投与する。
体内でmRNAからウイルスの表面たんぱく質が作られる。
mRNAワクチンは不活化ワクチンと比べて免疫を起こす力が高い。
接種の仕方も違う。
インフルエンザは皮下組織に入れる。
新型コロナはより深い筋肉まで注射する。
皮下注射は成分がゆっくり吸収され、効果が長持ちする。
筋肉注射は皮下注射に比べて副作用が少なく、抗体ができやすいとされる。
海外では筋肉注射でワクチンを投与するのが一般的だ。
ファイザーやモデルナのワクチンも筋肉注射で効果を確認している。
日本の承認審査では海外のデータも参考にするため、筋肉注射しなければならない。
皮下注射では効果や副作用が筋肉注射と異なる可能性がある。
参考・引用一部改変
日経新聞・朝刊 2021.2.10