ファイザー製接種 変異株に中和抗体
米製薬大手ファイザー製の新型コロナウイルスのワクチンを接種した人の約9割で、変異ウイルス(変異株)に対しても有効性が期待できる「中和抗体」がつくられていたという研究結果を、横浜市立大学の研究チームが12日、発表した。
従来株のほか、感染力が増したり既存の免疫から逃れたりするとされる英国型、ブラジル型、南アフリカ型、インド型など計7種の変異株に対するワクチンの効果を検討した。
3~4月、新型コロナヘの感染歴がなくワクチンを接種をした医療従事者105人(平均42歳)から、接種前と、1回目と2回目の接種後の血液をそれぞれ採取。
本物のウイルスを使わない独自技術で、血液中に感染を防ぐ効果が期待できる「中和抗体」が十分につくられているか調べた。
その結果、1回の接種でも、従来株については57%の人で十分な量の中和抗体が得られたが、変異株については、十分に得られないケースが目立った。一方、2回目の接種後では、英国型94%、インド型97%など、どの変異株でも9割以上の人で十分な中和抗体がつくられた。
今回使われた中和抗体の基準値は、従来株に対してのもの。
変異株の感染を防ぐにはより多くの中和抗体が必要な可能性もあるとしたうえで、同大医学部の山中竹春教授(医療データサイエンス)はいま確認されている変異株であれば、「既存のワクチンでかなり対応できる可能性がある」と話した。
参考・引用一部改変
朝日新聞・夕刊 2021.5.13
<関連サイト>
ファイザー製ワクチン、2回接種で種々の変異株に有効か?/横浜市立大
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ファイザー社ワクチン、英国・南ア変異株に対する有効率は?/NEJM
https://www.carenet.com/news/general/carenet/52210
(ドクター用、要ログイン)
COVID-19ワクチン接種完了者、変異株に感染/NEJM
https://www.carenet.com/news/journal/carenet/52167
(ドクター用、要ログイン)
南アフリカ株(B.1.351)の遺伝子変異とワクチンの効果
https://www.carenet.com/news/clear/journal/52130
(ドクター用、要ログイン)