コロナで「動かない生活」 体力低下で死亡リスク高く ②
体重よりも体力低下が危ない
しかし、中には「自分は運動不足だけど、体重が増えないように注意しているから大丈夫」と考える人もいるかも知れない。
しかし、その考えは捨てたほうがいいだろう。
もちろん太りすぎのリスクは避けたいところだが、それよりも運動不足が招くリスクにも注意を向けるべきだ。
体重が増えることよりも、体力(心肺持久力)が低下することのほうが総死亡リスクに大きく影響することがわかっている。
1万4345人の男性を約6年間追跡した調査の結果、体重が増えることよりも、体力低下のほうがその後の死亡率に大きな影響を与えることがわかっている。
筋肉のメタボ化「脂肪筋」を減らすには運動が不可欠!
脂肪細胞から漏れ出した脂肪が筋肉にたまるのがこの脂肪筋だ。
脂肪筋は筋肉で糖を取り込むスイッチとなるインスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)を作ると考えられている。
これが進行すると糖尿病を引き起こすことになる。
脂肪筋が悪さをして、インスリンを効きにくくするわけだが、この脂肪筋を減らすためにも運動は欠かせない。
2型糖尿病患者さんに、2週間、食事療法のみをした群と、食事療法に運動療法を加えた群で比較したところ、運動療法を組み合わせた群のみでしっかりとした効果が表れた。
しかも、行ったのは今よりもプラス3000~4000歩程度、1日のトータルの歩数を増加させた程度の「散歩」。
脂肪筋は、活動不足によって生じるが、運動をすることによってわずか2週間でも減らすことができる。
つまり、脂肪が燃焼する現場である筋肉を活性化するため、効果も表れやすい、といえる。
参考・引用一部改変
日経Gooday 30+ 2021.5.29