キャンピロバクター腸炎

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ある日の診察室より

腹痛と下痢の中年会社員Fさんが夕方の診察終了間際に入ってみえました。

Fさん「きのう飲み過ぎて今朝から吐くやら下痢するやらで会社休みました。」
私「(休んだんだったらもう少し早く来れば点滴したのに。
点滴して下さいってどうぞ言いださないように)」
私「今まで飲み過ぎて吐いたことってありますか?」
Fさん「いや、それがあんまりないもんだから不思議といえば不思議
なんです。」
私「胃腸風邪といいたいところですが、私は粘着質だもんですからもう
ちょっと調べておきたいんです。白血球と脱水のチェックの検査をやってみます」

検査を終わってFさんは戻って来ました。

私「きのうはよっぽど楽しかったんですね。いやな上司の送別会でもあったん
ですか?それはそうと当たるような怪し気な食べ物はなかったんですか?」
Fさん「酔っててあまり覚えてないんですが、たしか中華料理だったから多分
大丈夫だと思うんですけど。」
私「前の日に食べたもので当たるって意外と少ないんですよ。その前はどう
だったですか?焼鳥屋さんとか。」
Fさん「えーっと。あっ。そういえばおととい焼鳥屋へ行きました行きました!」
私「やっぱりね。結構毎晩のように飲んでますね。それはそうと白血球も多いし、
こりゃキャンピロバクターが怪しいですね。状況証拠を固めるために明日の朝、
便を持参して下さい。それじゃ看護婦さん、容器渡しといてね。」

これは当院ではごくありふれた光景です。看護婦さんもまたかって感じです。
でも院長はこういうことに生き甲斐を見い出しているんです。
冬は冬で牡蠣(かき)で当たった人を当てる当てっこに情熱を燃やします。
最近では殆どの人がノロウイルスの知識を持ってみえるので、当てて得々と
説明する醍醐味は減りましたが。

キャン(カンともいいます)ピロバクター腸炎については
カンピロバクター食中毒http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/67f/campylobacter.html
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