歯軋り(はぎしり)

寝ているときの歯ぎしりはイビキと同様に、本人はまったく気にならないのに、
周りの人は、寝れません。本人の歯にも相応の負担がかかっています。
歯ぎしりが原因で歯のトラブルにつながっていることは意外と多いのです。

磨耗、あごのだるさ感じたら・・・

キリキリと驚くほど大きな音が鳴る歯ぎしり。
長く放っておくと、健康な歯でもすり減ったりもろくなっ
たりする。
歯周病を悪化させることもある。
歯ぎしりを止めるのは難しいが、歯への悪影響を回避する治療は可能だ。

歯ぎしり 油断禁物 まず相談

放置すれば歯周病進行も
都内在住の20代女性Aさん。
昨年から、睡眠中の歯ぎしりが続いている。
最初に気付いたのは家族。
自覚症状がなく、しばらくは気にせずにしていたが最近、自分でも「異変」とわかるほど
歯がとがってしまった。
食べ物をかむといやな音がするようになり、唇に傷がつくこともある。

ストレスも原因
歯ぎしりの発症に男女差はない。
年代別に見るとあごの力が弱くなる60代以降では比較的少ないが、子供から大人まで広く
症例が存在する。
理浩歯科クリニック(東京・台東)の鈴木理浩・歯科医師は 来院する大人の約6割に強い
食いしばりや歯ぎしりの跡がみられる と話す
 
どうして歯ぎしりが起きるのか。
カニズムはまだよくわかっていない。
原因として「あごの咀囑(そしゃく)筋の極度の緊張」「仕事など日中にたまったストレス」
などが考えられるという。
 
歯が食いしばったりきしんだりする動作を根本的に治すのは難しい。
東京医科歯科大学の木野孔司・准教授は「そもそも、
筋肉の本能的な動きを無理に止めるような治療は
良くない」と語る。 
 
ただ、かみ合わせ状態によっては歯ぎしりが長引くと、歯がすり減って変形、ひび割れる
こともある。
生活習慣病との関連性も指摘されるようになった歯周病が進行するケースもある。
 
歯科で診てもらえば、歯への影響を最小限にとどめることはできる。
 
第一の対策は、樹脂やゴム製のマウスピースをはめて寝る方法だ。
マウスピースはボクサーらが使うのとほぼ同じもので、あごが横に動くのを防ぐと同時に、
歯を守る緩衝材として働く。
 
症状に応じて、上下両方必要な場合と片方だけで済む場合とがある。
健康保険が適用されるため、型を取る費用や診察
料を除くと、自己負担は4000-8000円で済む。
 
負担を犬歯だけに集中させて、ほかの歯の摩耗を防ぐ「犬歯誘導」と呼ぶかみ合わせを
作る方法もある。

着脱式の薄い金属板を上あごの犬歯から奥歯の内側に沿って装着し、上あごの歯には下
の犬歯だけが触れるようにかみ合わせの間隔を調節する。
あごが左右に動いても、下の犬歯が金属板上を滑るので、ほかの歯には負担がかからない。
 
歯科矯正慎重に
歯科矯正によってかみ合わせを変えることもできそうだが、「歯ぎしり解消のためだけに
矯正することはタブー」(鈴木歯科医師)。
歯並びを安易に変えたために、健康な歯にまで悪影響が広がる可能性がある。
がく関節症と呼ぶあごの病気や歯周病など、矯正でほかの症状の改善が期待できる場合を
除いては慎重な意見が多い
 
歯ぎしりの音は家族らに迷惑になることもあるが、「実害が生じていなければ大きな問題
ではない」(東京医科歯科大の木野権教授)。
 
音のしない歯ぎしりもある。
理由もわからずに歯が摩耗していたり、起きた時にあごのだるさを感じたりするのが続く
ようなら、一度歯科に足を運んでみるとよい。
イメージ 1

出典 日経新聞 2007.10.23
版権 日経新聞

<参考サイト>
意外な真実!歯ぎしりが歯の寿命を縮める
http://allabout.co.jp/health/dentalhealth/closeup/CU20060519A/index.htm
(「歯ぎしり」についてわかりやすくかつ詳しく解説されています)


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