肝がんリスクと肥満

肥満とがんの関係についてはすでに多くの報告があります。

肥満度(BMI)とがん全体の発生率との関係について
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/17/obese_can.html
喫煙・飲酒・肥満度の組み合わせとがん発生・循環器系疾患発症について ―概要―
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/91/projection_can_cvd.html
2月4日は「世界がんデー」 肥満対策でがんを予防
http://mhlab.jp/calendar/seikatsusyukanbyo_01/2009/02/003315.php
肥満はがんの要因 米大統領がん諮問委
http://mhlab.jp/calendar/seikatsusyukanbyo_01/2007/08/001722.php
肥満が癌(がん)のリスク増大に関与
http://health.yahoo.co.jp/news/detail/?idx0=w02071111
がんのリスク・マネジメント:(20)肥満とがん:日本人のエビデンス
http://mainichi.jp/life/health/mailife/cancer/news/20081229org00m100013000c.html
肥満とがん罹患リスクとの関連について
http://www.pbhealth.med.tohoku.ac.jp/outline/cohoto/0501intjcancer.html
肥満とがんの相関を強調、国際対がん連合が新キャンペーン
http://www.nejinews.co.jp/news/business/eid1839.html

きょうはがんの中で「肝がん」にスポットライトをあてた研究報告の紹介です。



#肝がんリスク、肥満は2倍以上 厚労省研究班
厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)
は10日、高血糖や肥満などメタボリック症候群の関連要因を抱えている人に
ついて、肝臓がんにかかるリスクが2倍以上に高まるとの大規模疫学調査の結果
を発表した。
肝がんは大半が肝炎ウイルスに感染して発症するが、生活習慣に気をつければ
発症を回避できる可能性があるという。
 
井上真奈美・国立がんセンター室長が、40―69歳の男女1万7590人を13年間
追跡調査。
期間中に102人が肝がんにかかった。
調査開始時点の健診結果をもとに、血圧や血糖値、中性脂肪、体格指数(BMI
などのメタボリック関連要因が、肝がんリスクと関連するか調べた。
 
高血糖(1デシリットル当たり140ミリグラム以上、または空腹時で同100ミリ
グラム以上)のグループは、そうでないグループと比較し、肝がんになるリスク
が1.75倍になった。
また肥満度を示すBMIが25以上の人は、そうでない人と比べて肝がんリスク
が2.22倍になった。

出典 日経新聞・夕刊 2009.3.10
版権 日経新聞

<番外編>
#大豆:女性は食べ過ぎないで 
乳がんリスク減も肝臓がん危険性高まる--厚労省研究班
大豆製品をたくさん食べる女性は、あまり食べない女性に比べて肝臓がんになる
危険性が3~4倍に高まることが、厚生労働省の研究班(主任研究者、津金
昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の大規模調査で分かった。
大豆に含まれるイソフラボンは、乳がんのリスクを減らすことが知られており、
研究班は「食事を通して適度に取るのがいい」としている。
 
研究班は93年から05年まで、6府県の男女約2万人(開始時40~69歳)
の健康状態を追跡した。
うち101人(男性69人、女性32人)が肝臓がんになった。
アンケートで大豆食品をどれぐらい食べるかを尋ね、イソフラボンの2成分の
摂取量と発症との関連を調べた。
 
その結果、摂取量とリスクの関連が明らかになったのは女性だけで、摂取量が
最も多い群(1日あたり豆腐80グラム以上、納豆3分の2パック以上)が
肝臓がんになるリスクは、最も少ない群(同豆腐40グラム未満、納豆3分の
1パック未満)のリスクの約3・2~3・9倍だった。
 
研究班の倉橋典絵・国立がんセンター予防研究部研究員によると、イソフラボン
の分子構造は、女性ホルモンのエストロゲンに似ている。
エストロゲン乳がんのリスクを高める半面、肝臓がんには予防作用があり、
イソフラボンの過剰摂取がこうした作用を妨げると考えられる。
 
倉橋研究員は「肝臓がんの最大のリスク要因はB型、C型肝炎ウイルス。女性の
場合、まず感染の有無を調べ、感染が分かれば大豆製品の取りすぎに注意
してほしい。
感染していなくても過度の取りすぎには注意が必要」と指摘する。

http://mainichi.jp/life/health/news/20090310dde007100023000c.html
出典  毎日・夕刊 2009.3.10
版権  毎日新聞社 
<コメント>
過ぎたるは及ばざるが如し。 Too much of one thing is good for nothing.

食事も食べ過ぎては体に悪い、運動も一気に やりすぎてもかえって良くないし、
人への親切だって、過ぎるとお節介になります。
子供にお小遣いやお年玉をあげ過ぎると、教育的に 良くありません。
問題は、その「適当(ほどほど)」を見極めるのが簡単ではないことです。


<自遊時間>
昨日の
線維筋痛症
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2009/3/11
で「カーネルサンダース人形」の話をとりあげました。
その続報が入りました。


イメージ 1


昭和60年に阪神タイガースがリーグ優勝した際、ファンに大阪・ミナミの道頓堀川に投げ込まれ行方不明になっていたケンタッキーフライドチキン道頓堀店の「カーネルサンダース人形」とみられる人形の下半身と右手首が11日朝、新たに川底から見つかった。

<コメント>
おかしくもあり、悲しくもあり不気味でもあり。

あれっ。
脚はあっても足がない!。

読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
井蛙内科開業医/診療録(3)
http://wellfrog3.exblog.jp/
(H20.12.11~)
井蛙内科開業医/診療録(2)
http://wellfrog2.exblog.jp/
(~H20.12.10)
井蛙内科開業医/診療録 
http://wellfrog.exblog.jp/
(~H20.5.21)
(いずれも内科専門医向けのブログです)
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)