ウイルスってなんだろう

新型インフルエンザウイルスのニュースがない日はないといった昨今です。
しかし、ウイルスと最細菌の違いは意外とよくわかっていない方もおみえ
になるのではないでしょうか。

ウイルス
http://ja.wikipedia.org/wiki/ウイルス
■ウイルス (virus) は、他の生物の細胞を利用して、自己を複製させること
のできる微小な構造体で、タンパク質の殻とその内部に詰め込まれた核酸
からなる。ウィルス、ビールス、ヴィールス、バイラス、ヴァイラス、
濾過性病原体、病毒と表記することもある。
生命の最小単位である細胞をもたないので、生物学上は非生物とされて
いる。
■ウイルスは細胞を構成単位としないが、遺伝子をもち他の生物の細胞を
利用して増殖できるという、生物の特徴を持っている。
現在でも自然科学は生物・生命の定義を行うことができておらず、便宜的
に、細胞を構成単位とし、代謝、増殖できるものを生物と呼んでおり、
細胞をもたないウイルスは、非細胞性生物または非生物として位置づけ
られる。
しかし、遺伝物質を持ち、生物の代謝系を利用して増殖するウイルスは
生物と関連があることは明らかである。
感染することで宿主の恒常性に影響を及ぼし、病原体としてふるまうこと
がある。
■遺伝物質の違いから、大きくDNAウイルスとRNAウイルスに分けられる。

ウイルスの分類
http://ja.wikipedia.org/wiki/ウイルスの分類
■ウイルスの分類は、生物の分類と同様に常に議論が続けられていくもの
である。
これまでに宿主や症状、伝染方法、ウイルス粒子の形状などを基準に分類
されてきたが、今日ではウイルスに含まれる核酸の型と、その発現形式に
重点を置く分類が広く用いられるようになっている。
これはウイルスによる逆転写を発見した功績でノーベル賞を受賞した
デビッド・ボルティモア(1938 - ) によって提案され、現在では国際ウイ
ルス分類委員会の定める分類体系の基本骨格となっている。
ボルティモア分類
通常の細胞性の生物は2本鎖DNAに遺伝情報を保存しているが、2本のうち
の1本は冗長である。
ウイルスの場合にはゲノムは1本鎖であったり2本鎖であったりする。
またDNAではなくRNAを用いている場合もある。1本鎖RNAを用いる場合
には、さらに+鎖(mRNAと同様に遺伝子が5'→3'方向に読み取られる)
を用いる場合と、-鎖(遺伝子が相補鎖を使って3'→5'方向に読み取られる)
を用いる場合がある。ボルティモア分類とは、こうしたゲノムの種類と
発現様式によってウイルスを以下の7群に分類するものである。

  1. 2本鎖DNA
  2. 1本鎖DNA
  3. 2本鎖RNA
  4. 1本鎖RNA +鎖
  5. 1本鎖RNA -鎖
  6. 1本鎖RNA逆転写
  7. 2本鎖DNA逆転写


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出典 日経新聞・朝刊 2009.6.21
版権 日経新聞


新型インフルエンザ 関連>

新型インフル、ヒト型に変異発見 増殖しやすく? 上海

中国・上海で分離された新型の豚インフルエンザウイルスの中に、ウイル
スの増殖に関係する遺伝子がヒト型に変異しているものが見つかった。
この変異があると、人間の体内で増殖しやすくなるとみられる。
変異したウイルスが広がり、感染力や病原性をより高めていく恐れがある。

5月31日に上海で22歳の女性から採取したウイルスで変異は見つか
った。
上海公衆衛生臨床研究所が、分析結果をネット上で発表した。

ウイルスに詳しい河岡義裕・東大医科学研究所教授によると、インフルエ
ンザウイルスのPB2という遺伝子が作るたんぱく質は、感染した相手の
体内での増殖能力を左右する。
たんぱく質アミノ酸がつながってできている。
新型インフルのPB2では、627番目のアミノ酸グルタミン酸だが、
上海のウイルスはヒト型のウイルスと同じリジンになっていた。

グルタミン酸のウイルスは37度前後でしか効率よく増えないが、リジン
は33~37度で効率よく増える。
人の鼻の中やのどなど「上気道」は約33度、気管支や肺など「下気道」
は約37度という条件に合うという。
asahi.com 2009年6月20日5時33分
http://www.asahi.com/national/update/0620/TKY200906190468.html

出典 朝日新聞・朝刊 2009.6.20
版権 朝日新聞社

<番外編>

高血糖、耳がピカーッ 東大、マウスで成功

東京大生産技術研究所などのグループは、マウスの耳を血糖値に応じて光ら
せることに成功したと、19日発表した。この仕組みを糖尿病患者の体内に
埋め込めば、負担を余りかけない血糖値センサーになる可能性がある。

東大の竹内昌治准教授(マイクロデバイス工学)らは、ブドウ糖を混ぜて
紫外線を当てれば緑色に光る蛍光物質に注目。
この物質を、美容のシワ取り注射に使うゼリー状物質に入れて直径約0.1
ミリのビーズに加工。マウスの耳の皮膚下に数百個を注射した。

このマウスの血液中のブドウ糖濃度を高くして高血糖状態にし、紫外線
ライトを当てると耳の部分が光るのが観察できた。美容で使われる物質だが、
長期間の副作用がないか動物実験で調べる予定だ。

糖尿病は血糖値が異常に高くなる病気。
患者は定期的に血糖値を調べなくてはならず、通常は血を調べる度に体に針
を刺す。
体外から血糖値を調べられる仕組みがあれば、患者の負担が小さくなる。
竹内准教授は「将来的には、ビーズの光の輝度から血糖値を数値化できる
ようにしたい」と話している。

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血糖値に応じて光る物質が右耳に埋め込まれたマウス。紫外線を当てると光る=東京大提供



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出典 朝日新聞・朝刊 2009.6.20
版権 朝日新聞社

<コメント>
ピカチューを思い浮かべるような研究です。
今後どこまで臨床に応用されるのでしょうか。