特保とは

わが家での台所のカウンターで「エコナ」を発見しました。
新聞記事に出ていたのを知っていたので女房に、「このまま使い続けるの」って訊きました。
返って来た言葉は「そんなの関係ない」でした。

そういえば以前に患者さんからいただいたものでした。
確かに今更急に心配することでもないような気もします。

きょうは「エコナ」も認定されていた「特保」をとりあげました。



特定保健用食品について
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/hoei/hoei_014/hoei_014.html
■「保健機能食品制度」は、食生活が多様化し様々な食品が流通する今日、消費者の方が安心して食生活の状況に応じた食品の選択ができるよう適切な情報提供をすることを目的として平成13年4月に創設された制度です。
「保健機能食品」は、「栄養機能食品」と「特定保健用食品」の2つに分類されます。 
特定保健用食品は身体の生理学的機能等に影響を与える保健機能成分を含んでいて、「お腹の調子を整える」など、特定の保健の目的が期待できることを表示できる食品です。
このような、「保健の用途」を表示するには、個別に生理的機能や特定の保健機能を示す有効性や安全性等に関する科学的根拠に関する審査を受け、厚生労働大臣の許可を受けることが必要です(健康増進法第26条)。
許可を受けたものには、許可証票がつけられています。
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消費者庁、「特保」制度見直しへ 11月にも検討会
消費者庁は21日、生活習慣病などのリスク低減効果があると国が認定する特定保健用食品(特保)を含めた健康食品のあり方を議論する検討会を設置する方針を決めた。
来月にも学識経験者や消費者団体、食品業界関係者らを集めて初会合を開き、特保認可申請時のデータの検証方法や健康食品の分類が妥当かなどについて検討する。
 
検討会の設置は、花王の特保「エコナ」シリーズから発がん性物質に変化する恐れがある成分が検出され、同社が特保表示許可の失効届を出した問題を受けた措置。
来年3月までに主要な論点をまとめ、同庁の監視役である第三者機関の消費者委員会と連携し、来年度から本格的な見直し作業に着手する。


<参考>
エコナ特保 予防原則で安全安心を (中日新聞・社説  2009.10.17)
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2009101702000041.html
エコナは「脂肪がつきにくい」がうたい文句。
1998年に特保の表示が認められた。消費者団体は、成分のジアシルグリセロール(DAG)が発がん促進作用を持つと主張して2003年と05年に特保取り消しを要求。
今回は、それとは別のグリシドール脂肪酸エステルという物質が体内で発がん性のあるグリシドールになる恐れがあるとして問題になった。
花王はどちらも健康には問題ないと主張する。


<番外編 ○○は特保ではないようですが・・・>
ヒアルロン酸は飲んでも効かない―なぜこんなものが横行するのか
http://blog.goo.ne.jp/goo6391/e/1873c714811a5f49b7442544ca55b5e7

規制される前に大量 CM で売り抜けようというビジネスモデル - ○○
http://d.hatena.ne.jp/walkinglint/20090625/p14


「○○」から出てきたこと。
http://feelingweed.wordpress.com/2008/04/05/kojun/



<番外編>
パーキンソン病発症リスク、6倍高める遺伝子 東大など発見
筋肉が硬直したり、手足が震えたりするパーキンソン病の発症リスクを高める遺伝子を、東京大や米国立衛生研究所(NIH)などの研究チームが発見した。
この遺伝子に変異がある人は変異のない人に比べて病気を発症する確率が約6倍高い。新しい治療法の開発につながるという。
 
成果は22日発行の米科学誌ニューイングランドジャーナル・オブ・メディシン」に発表した。
 
欧米・アジアの16施設で約1万人を対象に遺伝子を解析したところ、パーキンソン病患者の7%で「GBA」と呼ぶ遺伝子に変異が見つかった。
病気のない人での変異は1%しかなかった。
変異した遺伝子を持つ患者ほど発症した年齢が若かったという。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091022AT1G2200E22102009.html
出典 NIKKEI NET 2009.10.22
版権 日経新聞

#3歳男児新型インフルで死亡 国内最年少
東京都は22日、新型インフルエンザに感染した都内の男児(3)が20日死亡したと発表した。
死因はインフルエンザ脳症の疑いで、死亡事例では国内最年少。
男児に基礎疾患はなかった。
 
都によると、男児は19日午後、38度の発熱やせきなどの症状で保護者と近所の診療所を受診。
翌朝になって体温が39.6度に上昇したため同じ診療所でタミフルを処方されたが、夕方に意識不明となり救急搬送された病院で死亡した。
 
死亡後の遺伝子検査で新型インフルエンザに感染していたことが22日確認された。
出典 NIKKEI NET 2009.10.22
版権 日経新聞
<コメント>
最初の受診の際にタミフルを処方していればどうだったのでしょうか。
この点が専門家にさえわからないのが現状です。
「死亡後の遺伝子検査」・・・行政にこの検査が独占されているため相変わらずこういったことになってしまいます。
これからの季節型インフルエンザと混在する時期に向かってどこからも遺伝子検査「解放」要求の動きがないのが不思議でたまりません。
日本の医療界ってどうなっているんでしょうか。

新型インフルワクチンを法定接種に、国立大医学部長ら要望
国立大学医学部長会議は22日、札幌市内で開いた定期総会で、新型インフルエンザのワクチン接種を、予防接種法に基づく法定接種とするよう長妻昭厚生労働相に要望することを決めた。
現在、同ワクチンの接種は任意接種との位置付けだが、安全性についてまだ十分なデータの蓄積がなく、副作用が出た場合に個々の医師が法的責任を問われる可能性がある。
 
同会議は、はしかワクチンのように接種を法律で義務付け、副作用が発生した場合には国が補償することを求めた。23日、長妻厚労相らに要望書を送付する。
総会後の記者会見で、安田和則・北海道大学医学部長は「国の責任で今回の緊急事態に対処すべきだ」とした。
出典 NIKKEI NET 2009.10.22
版権 日経新聞
<コメント>
要望自体は至極もっともなことです。
しかしどうして国立大学医学部長会議がこういった要望を出すのでしょうか。
国立大学病院新型インフルエンザのワクチン接種をするのはそんなに多くはありません。
むしろ医療従事者たる職員に対して接種するのが主体で外来患者に数多く接種するわけではありません。
われわれ診療所で接種するのが一番多いわけですから日本医師会が要望するのが「筋」というものです。
日本医師会の怠慢といわれても仕方がありません。
そして何より国立の機関が国に対して要望することに些かの違和感を覚えます。



<きょうの一曲> Autumn Leaves
Holland Mariah sings "Autumn Leaves"
http://www.youtube.com/watch?v=2yPV9RdaNjw&feature=related



読んでいただいて有難うございます。
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