新型インフルエンザ 2009.11.28

##感染 低年齢層への集中が進む
新型インフルエンザで患者の集中する年齢層が、これまでの10代前半から10歳未満の子どもに変化していることが国立感染症研究所の分析でわかりました。
専門家は、小さい子どもに感染が広がれば、看病する家族を通じて家庭から地域社会へと流行が拡大していくおそれがあり、注意が必要だとしています。
国立感染症研究所が今月15日までの1週間に、全国の医療機関を訪れた患者を推計したところ、これまで流行の中心だった10歳から14歳が42万人にとどまったのに対し、5歳から9歳が47万人と最も多くなったほか、0歳から4歳までの乳幼児も17万人と増加していることがわかりました。
今後もこの傾向が続いて10歳未満の子どもの患者が増えれば、家庭で看病する母親など家族に感染が広がり、さらには家庭から地域社会へと流行が拡大していくおそれがあるということで、専門家は感染の動向を注意深く見ていく必要があるとしています。
国立感染症研究所の安井良則主任研究官は「10代前半ではすでに3人に1人が感染したとみられる一方、より幼い年齢層ではまだまだ感染していない子どもの数が多い。毎年のインフルエンザでも同様のパターンで感染が拡大しており、今後、新型の流行が家庭から地域社会へと拡大するのか注意深く見ていく必要がある」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/t10014061741000.html#
NHKニュース 2009.11.27 19:18


##タミフル耐性ウイルス、厚労省「過剰な心配不要」
厚生労働省によると、タミフル耐性ウイルスは一定頻度で発見され、症状の重さに直接影響を及ぼすものではない。
同省は「耐性ウイルスの感染拡大は見られず、タミフルの有効性はこれまでと変わらないので、過剰に心配する必要はない」と呼びかけている。
厚労省はこのほか、大分県島根県でもタミフル耐性の新型インフルエンザウイルスが見つかったと発表した。タミフル耐性ウイルスの発見は計18例となった。
出典 読売新聞 2009.11.27
版権 読売新聞社


##タミフル耐性新型ウイルス、新潟で初確認
新潟県は27日、県内の病院で同部屋の入院患者2人が新型インフルエンザを発症し、双方から治療薬タミフルが効きにくい性質を示すウイルス(耐性ウイルス)が確認されたと発表した。
厚生労働省によると、耐性ウイルスが同じ病室の患者から確認されたのは国内で初めて。
耐性ウイルスが人から人に感染した可能性もあり、国立感染症研究所で詳細に分析する。
県によると、患者は、いずれも基礎疾患(持病)のため同じ病室に長期入院していた未就学の女児と小学生男児
女児は10月9日に39度台の熱を出し、男児も予防のためタミフルを投与されたが、13日に発症した。
ともに検査で新型インフルエンザ感染が確認され、さらに県保健環境科学研究所が調べたところ、タミフルに耐性を示す遺伝子変異を有するウイルスを確認した。
女児は10月中旬に、男児も同下旬に回復している。
出典 読売新聞 2009.11.27
<コメント>
タミフルに耐性を示す遺伝子変異を有するウイルスが確認されたということで、タミフル耐性新型ウイルスであることは間違いないという見解です。
しかし男児タミフルが予防投与されたのはどのタイミングかという一番大事なところの記載がありません。
タミフル服用時点では感染が成立していた可能性があります。
そして、100%感染阻止できるものでもありません。
医師としては耐性ウイルスを疑った経緯に興味があります。


##米国の小児科医、新型インフルに2回感染
米国ウェストバージニア州の女性が新型インフルエンザに2回感染したことが分かった。
報道によると、この女性は小児科医で、8月に息子とともにインフルエンザを発症、検査で新型と判定された。
10月に再び息子とインフルエンザの症状で寝込み、再び新型と判定された。
疾病対策センター(CDC)が両方の試料を検査し直したが、やはりどちらも新型だった。
CDCは小児科医の問い合わせに「季節性でもまれに同型のインフルエンザに2回感染することがある」と説明したというが、一般的には、一度感染すれば免疫ができるため、二度はかかりにくい。
出典 読売新聞 2009.11.25
版権 読売新聞社


##天皇陛下、新型ワクチン接種…基礎疾患あり優先対象
宮内庁は26日、天皇陛下新型インフルエンザのワクチン接種を受けられたと発表した。
陛下は2003年1月、前立腺がんの摘出手術を受け、再発防止のためホルモン療法を続けられている。
基礎疾患があり重症化リスクの高い優先接種対象者に該当することから、宮内庁病院を通じてワクチンを取り寄せ、今月22日に皇居内で接種を受けられたという。
入院中の桂宮さまら皇族方の接種も始まっており、皇后さまは年明け以降、接種を受けられる見通し。
出典 読売新聞 2009.11.26
版権 読売新聞社
<コメント>
この報道の意味するところは何なんでしょうか。

皇族でさえ優先順位を守って接種している。
皇族も接種するぐらいだから安全で有効なワクチンである。

最初にこの報道に接した時の率直な感想は、宮内庁に「お毒味役」はいたのかということです。
宮内庁職員や皇室の医師(皇室医務主管や侍従職侍医長)ははたして先に接種したのでしょうか。
国民という「お毒味役」の中で、ワクチンとの関連が否定できない26人(11月26日現在)の死亡例が出ています。

何だか陛下が気の毒に思えてしまいます。


<関連サイト>
ワクチンはいりません!新型インフルエンザとその対策に関する総合情報
http://wakuchin-iran.jugem.jp/?cid=5
(報道を見る限り日本という島国の情報ばかり入って来ますが、このサイトでは世界のインフルエンザ情勢を俯瞰することが出来ます。)
以下はこのサイトからの引用です。

鳥インフルエンザ-エジプトの状況【WHO】 2009.11.27 Friday
2009年11月27日-エジプト保健省は鳥インフルエンザ(H5N1)の新たな感染例を報告した。
症例はMinia Governorate出身の3歳男児
2009年11月21日から発症した。
男児は11月22日に入院し、症状は安定している。
感染源の調査結果から、この症例は死亡したか病気の家禽との濃厚接触があったことがわかった。
これまでの症例はエジプト中央公衆衛生研究所によって確認されている。
エジプトでは今までに89例の鳥インフルエンザ(H5N1)感染が確認され、27人が亡くなっている。
<コメント>
国内では豚インフルエンザ(A/H1N1)に「『新型』インフルエンザ」という無神経な呼び方をつけて大騒ぎをしています。
「新型」という表現は恐怖心を助長します。
本来「新型インフルエンザ」は強毒性の鳥インフルエンザ(H5N1)を想定して用意された用語であった筈です。
H5N1が流行した時にはどのような呼称とするのでしょうか。
今までの経緯からは「強毒性新型インフルエンザ」という呼び方もあり得ます。
まったくもって病名一つをとっても厚労省の無策ぶりがわかります。
諸外国の病名は科学的でかつ冷静です。


読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
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