愛する家族、大切な人と死別し、深い悲しみに暮れる人たちを対象にした「グリーフ(悲嘆)ケア」が、広がりを見せています。
悲嘆そのものは人間の自然な感情です。
押さえる必要はありません。
しかし、それが希死願望にエスカレートしたら話は別です。
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押さえる必要はありません。
しかし、それが希死願望にエスカレートしたら話は別です。
「遺族外来」という言葉を聞いたことがありますか?
埼玉医科大学精神腫瘍科の大西秀樹先生が国内で最初に開設され、その後全国に少しずつこういった外来が増えつつあります。
まず最初の2年前の新聞記事の紹介です。
遺族外来「共感」模索高まる関心
国内で一カ所、精神科医が遺族を専門に診る「遺族外来」がある。
埼玉医大国際医療センター(埼玉県日高市)。
精神腫瘍科の大西秀樹医師(47)を、悲嘆に暮れる遺族が、中国地方など遠方からも訪ねてくる。
大西医師が遺族ケアを始めたのは9年前だ。
別の病院で末期がん患者の痛みや精神的苦痛の緩和ケアに取り組んでいたとき、患者のそばで苦悩する家族に気づいた。
家族の心のケアも担うようになり、手がけた家族の多くが患者をみとった後も大西医師を頼ってきた。
「残りの人生は意味がない」などと思い詰め、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された人もいた。
「患者と死別後に病院とのつながりが切れ、適切なサポートを受けていない遺族が多い」と大西医師は指摘する。
グリーフ(悲嘆)ケアが浸透している英国、米国とは大きな差がある。
2月からは複数の遺族が語り合う「グループ外来」も開いた。
しかし、診察できる人数には限りがある。「ケアは医師だけがすることではない」。
看護師や臨床心理士、カウンセラーらとの連携の必要を痛感する。
国内で一カ所、精神科医が遺族を専門に診る「遺族外来」がある。
埼玉医大国際医療センター(埼玉県日高市)。
精神腫瘍科の大西秀樹医師(47)を、悲嘆に暮れる遺族が、中国地方など遠方からも訪ねてくる。
大西医師が遺族ケアを始めたのは9年前だ。
別の病院で末期がん患者の痛みや精神的苦痛の緩和ケアに取り組んでいたとき、患者のそばで苦悩する家族に気づいた。
家族の心のケアも担うようになり、手がけた家族の多くが患者をみとった後も大西医師を頼ってきた。
「残りの人生は意味がない」などと思い詰め、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された人もいた。
「患者と死別後に病院とのつながりが切れ、適切なサポートを受けていない遺族が多い」と大西医師は指摘する。
グリーフ(悲嘆)ケアが浸透している英国、米国とは大きな差がある。
2月からは複数の遺族が語り合う「グループ外来」も開いた。
しかし、診察できる人数には限りがある。「ケアは医師だけがすることではない」。
看護師や臨床心理士、カウンセラーらとの連携の必要を痛感する。
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ニーズは、京都市内で二月、医療関係者向けに開かれた「遺族ケアプログラム実践講座」でも浮き彫りになった。
70人の定員に申し込みが殺到し、九州や東北からの参加者もいた。
遺族会を発足させたホスピスや新生児集中治療室(NICU)の事例に、質問が相次いだ。
関心は医療現場にとどまらない。
遺族会について、全国の葬儀社に2005年、坂口幸弘・関西福祉科学大准教授(34)らがアンケートした結果、回答者の三分の一以上が遺族会開催に「関心がある」と答えた。
大阪市内の寺院の住職らを対象とした同年の調査でも、回答者の8割近くが、遺族への精神的サポートを「学びたい」としている。
ニーズは、京都市内で二月、医療関係者向けに開かれた「遺族ケアプログラム実践講座」でも浮き彫りになった。
70人の定員に申し込みが殺到し、九州や東北からの参加者もいた。
遺族会を発足させたホスピスや新生児集中治療室(NICU)の事例に、質問が相次いだ。
関心は医療現場にとどまらない。
遺族会について、全国の葬儀社に2005年、坂口幸弘・関西福祉科学大准教授(34)らがアンケートした結果、回答者の三分の一以上が遺族会開催に「関心がある」と答えた。
大阪市内の寺院の住職らを対象とした同年の調査でも、回答者の8割近くが、遺族への精神的サポートを「学びたい」としている。
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遺族自身が悲嘆について学ぶ機会もあった。
間もなく発生から3年を迎える尼崎JR脱線事故の現場に近い聖トマス大で開かれた公開講座。
昨年10月から5カ月間、事故の遺族ら約300人が受講した。
今年2月末の最終回では、事故で長女=当時(23)=を亡くした神戸市北区の大森好美さん(52)が体験を語った。
深い悲しみから体調を崩していたとき、同大客員教授の高木慶子さん(71)と出会った。
「面談を重ね、思いをスポンジのように吸い込んでもらった」という大森さんは、オペラ歌手を志した長女の遺志を継ぎたいとの目標を見つけた。
壇上で「やっと一歩を踏み出せた」と言葉をかみしめた。
必要性が認識され、各方面で取り組みが進むグリーフケア。
しかし、一般の理解は十分ではなく、無神経な言葉や安易な励ましが、しばしば遺族を傷つける。
「共感し、ともに歩む社会を築きたい」と高木さんは願う。
悲しみの社会で、模索と努力が続く。
遺族自身が悲嘆について学ぶ機会もあった。
間もなく発生から3年を迎える尼崎JR脱線事故の現場に近い聖トマス大で開かれた公開講座。
昨年10月から5カ月間、事故の遺族ら約300人が受講した。
今年2月末の最終回では、事故で長女=当時(23)=を亡くした神戸市北区の大森好美さん(52)が体験を語った。
深い悲しみから体調を崩していたとき、同大客員教授の高木慶子さん(71)と出会った。
「面談を重ね、思いをスポンジのように吸い込んでもらった」という大森さんは、オペラ歌手を志した長女の遺志を継ぎたいとの目標を見つけた。
壇上で「やっと一歩を踏み出せた」と言葉をかみしめた。
必要性が認識され、各方面で取り組みが進むグリーフケア。
しかし、一般の理解は十分ではなく、無神経な言葉や安易な励ましが、しばしば遺族を傷つける。
「共感し、ともに歩む社会を築きたい」と高木さんは願う。
悲しみの社会で、模索と努力が続く。
以下は
からの引用です。
この中で、大西先生は
「がん患者の家族は患者さんにがんの疑いが生じた時点から患者さんと同様の不安・抑うつなどを呈することが知られており、患者さんと同様ストレス度が高いことから、精神腫瘍学的見地からは“第2の患者”と言われています。したがって、ご家族も患者さんと同様に精神的治療およびケアの対象となります。」
と遺族外来の必要性を述べています。
「がん患者の家族は患者さんにがんの疑いが生じた時点から患者さんと同様の不安・抑うつなどを呈することが知られており、患者さんと同様ストレス度が高いことから、精神腫瘍学的見地からは“第2の患者”と言われています。したがって、ご家族も患者さんと同様に精神的治療およびケアの対象となります。」
と遺族外来の必要性を述べています。
「死別が身体に及ぼす影響ですが、配偶者を亡くした54歳以上の男性の調査では、死別後6ヶ月以内の死亡率が配偶者のいない場合に比較して約40%上昇すること、死因の4分の3は心疾患である事を指摘しています。女性も死別後3ヶ月は死亡率の高いことが指摘されています。死別が精神に及ぼす影響ですが死別後1年以内に抑うつの兆候を呈する未亡人が47%にのぼり、対象群の8%と比較すると有意に高いことからが知られており、死別後1年以内の自殺リスク、女性で10倍、男性では66倍に上昇します。」
このブログでとりあげられている関連図書
C.M.パークス『死別―遺された人たちを支えるために―」(メディカ出版)
C.M.パークス『死別からの恢復』(図書出版社)
キューブラー・ロス『死ぬ瞬間―死とその過程について―』(読売新聞社)
シュナイドン『死にゆく時 そして残されるもの』(誠信書房)
G・ゴーラー『悲しみの社会学』(ヨルダン社)
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「がんばらない」の医師 鎌田實VS埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授 大西秀樹さん
http://www.gsic.jp/support/sp_02/kvs/31/index.html
(鎌田實氏の対談集の一部です)
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死別の痛み サポートを
http://blogs.yahoo.co.jp/bone_marrow_bank/9063336.html
(写真で、大西医師が白衣を着ているのが少し不思議です。そもそも精神科は白衣は必要があるとは思えません。)
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読んでいただいて有難うございます。
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