運動で脳細胞活性化

「人生において成功するために、神は人にふたつの手段を与えた。
教育と運動である。
しかし、前者によって魂を鍛え、後者によって体を鍛えよ、ということではない。
その両方で、魂と体の両方を鍛えよ、というのが神の教えだ。
このふたつの手段によって、人は完璧な存在となる」
 ―プラトン


「わたしが強調したかったこと―運動は脳の機能を最善にする唯一にして最強の手段だということ―は、何百という研究論文に基づいており、その論文の大半はこの10年以内に発表されたものだ。」
―著者 ジョン・J・レイティ―



1999年にフィンランドでなされた3043人を対象とする調査では、週に最低2,3回運動している人は、運動をほとんどしない、もしくはまったくしない人に比べて、うつ、怒り、ストレス、「ひねくれたものの見方」がきわめて少ないことが明らかになった。



職後の人の脳内血流レベルを調べたところ、運動をつづけている人は退職して4年経ってもほとんど変わらなかったのに対し、運動をあまりしない人は著しく低下していた。
脳は活発な成長を止めたとたん、死に向かい始める。
運度は老化の進行を阻むことのできる数少ない方法のひとつだ。
ある研究では、有酸素運動を長年つづけてきた高齢者ほど、脳がよりよい状態に保たれていることがMRIの画像診断によってわかった。
ここで重要なのは、運動が脳の衰えを防ぐだけでなく、老化にともなう細胞の衰えを逆行させるということだ。


以上は
『脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方』
http://blog.livedoor.jp/hiroki_fx/archives/65304387.html
からの引用です。



年をとっても適度な運動をすることで脳が刺激されて、脳内の神経伝達物質アセチルコリン」の量が増え、神経細胞の分裂が活発になることを、東京大学の久恒辰博准教授(脳科学)らがマウスの実験であきらかにした。研究は米科学誌「Hippocampus」オンライン版に発表された。

#運動が脳細胞を活性化、認知症予防に期待 東大チーム
運動によって中高齢者の認知機能が改善されること知られているが、研究では運動が薬剤と同様な仕組みで脳に働きかけ、脳の老化防止に働くことが分かった。
運動による認知症の予防などへの応用が期待される。

研究チームは、記憶や学習など認知機能をつかさどる「海馬」という部分に注目。海馬では大人になっても神経細胞が新しく生まれ、数が保存されているが、年齢を重ねるほどその能力は衰える。
 
生後2年以上の高齢のマウスを、回し車のあるかごで3日間飼育し、回し車のないかごで飼育したマウスと比較した。
海馬の神経細胞の基になる幹細胞を調べたところ、自由に走ることのできる環境で飼育したマウスでは、平均720個の神経幹細胞が分裂していた。
一方、十分に運動できなかったマウスでは平均298個だった。
幹細胞の増殖率は、運動により2.4倍高くなることが分かった。
 
神経伝達物質アセチルコリンの分泌が増え、海馬が刺激されたためで、薬剤でアセチルコリンが分泌しないようにした老齢マウスでは運動させても神経細胞は178個しか増えなかった。
また、アセチルコリンの濃度を高めるドネペジル塩酸塩を投与すると、運動させなくても3日間で556個の神経幹細胞が分裂していることが分かった。
ドネペジル塩酸塩は、認知症の治療薬の成分として世界的に処方されている。
 
久恒准教授は「運動によってアセチルコリンが活性化し、神経幹細胞の細胞増殖が強まることが初めて分かった。ヒトにも同じ仕組みがあると考えられ、加齢による脳機能の低下や認知症を防ぐことに役立つのではないか」と述べている。




<関連サイト>
脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方
http://ccaba.blog20.fc2.com/blog-entry-5.html


<自遊時間>
卒業スピーチで“逆プロポーズ”に喝采、彼氏もキスで応え大成功。
http://www.narinari.com/Nd/20100513571.html

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