漢方・健康食品

漢方・健康食品、広がる利用 がん患者の45%「経験」 通常治療と併用が原則

代替医療への関心が高まっている。
人間の体は複雑で、最新の医学を駆使しても治せない病気はいくつもあるからだ。
わらにもすがる思いで、がん患者の半分は漢方や健康食品を利用しているという。
一方で自然派志向の人を中心に科学的根拠のない民間療法も広がり、健康を害するなど社会問題になっている。

金沢市在住のYさん(76)は、4年前に大腸がんとわかり手術した。
2008年1月に肝臓への転移が見つかり再び手術を受け、抗がん剤治療も始めた。
再発を防ぐため、がんに負けない体力をつけたいと思っていたところ、ある講演をきっかけに代替医療に興味を持った。


#「憂うつさ消えた」
同年5月、通院していた金沢大学付属病院の補完代替医療外来を訪れた。
「がん治療のメーンにはならない」との説明を受け、主治医の承諾のもと、体力を付ける目的で臨床試験中というハトムギやタヒボ茶などの健康食品を使うことになった。
使い始めて約2年たち、「活気が出てきたような気がする。憂うつな気分もなくなった」と話す。
また「薬は副作用が強いが、代替医療なら心配なさそう」と、安心して使えるのもよいという。

金沢大病院では、健康食品や漢方などの利用の相談にのる専門外来を月2回、開いている。
料金は初診料か再診料のみ。
同病院のほかの科にかかっている患者らからの相談が多く、がんのほかアレルギー疾患や難病の患者やその担当医らが相談に訪れる。

同外来を担当する鈴木信孝特任教授は「治療に使っている薬と漢方薬とを併用してもよいかという相談が多い。通常の医療をうまく組み合わせて使うよう指導している」と説明する。

代替医療は健康食品や漢方、ヨガ、はり・きゅうなど幅広い。
有効性の科学的根拠がよくわかっておらず、漢方を除けば大半の医療機関で治療には積極的に使っていない。

一方で利用者は多い。
厚生労働省研究班が、がん患者を対象に代替医療の利用の有無を聞いたところ、約45%が利用経験があると回答した。
うち96%が健康食品、気功やはり・きゅうの利用者も数%ずついた。
知人やインターネットの情報を頼りに患者が自分の判断で使っているケースが多かった。


#効果見極め中止
「いつ再発するか、自分のせいでがんになったのではないか、と強い不安があった」。
がん患者の自立支援をする「キャンサー・ソリューションズ」社長で、自身も乳がんを経験した桜井なおみさん(43)は、代替医療を使い始めた理由をこう話す。

桜井さんは抗がん剤治療が終わると、アガリクス、プロポリス、カバノアナタケといった健康食品や、民間療法のホメオパシーに使う砂糖玉「レメディー」も飲んだ。
代替医療を専門とするクリニックで処方されると自由診療で数万円かかったこともあった。
結局、効果はよくわからず、3年ほどたって「使っていても効かない」と冷静になりやめた。

厚労省研究班の調べでは、代替医療を利用しているにもかかわらず、患者の約57%は十分な情報を得られていなかった。
医師に相談したのは約4割だが、多くの患者は医師から利用について具体的なアドバイスを得られていなかった。
研究班メンバーの大野智埼玉医科大学国際医療センター講師は「代替医療について、一般の医師にはほとんど知識がない」とこぼす。


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#専門外来を開設
そこで、代替医療に詳しい医師による専門外来を開設する病院も出てきた。
芳珠記念病院(石川県能美市)は07年に「補完代替医療外来」を設置した。
患者からの相談にのるほか、代替医療臨床試験に参加してもらう。
仲井培雄理事長は「臨床試験は患者に経済的負担をかけずに代替医療を試してもらえるので好評だ。薬のほかに何を使っているかなどを医師が把握できるメリットもある」と話す。

また、厚労省や日本緩和医療学会は、代替医療の内容を医師が患者へ説明するためのガイドラインを作成する予定だ。

代替医療は広く利用されている一方、効果について科学的根拠がないものがほとんど。
大野講師は「いずれも効くか効かないかはわからない。利用する場合は、このことを理解したうえで使ってほしい」と話す。

出典 日経新聞・夕刊 2010.9.10
版権 日経新聞

<私的コメント>
代替医療は広く利用されている一方、効果について科学的根拠がないものがほとんど」
「いずれも効くか効かないかはわからない。利用する場合は、このことを理解したうえで使ってほしい」
結局ははっきりとは効かないというわけです。

一方、抗がん剤の場合などでは、投与することによって死期を早める場合もあります。
もちろん、医療ミスによる過剰投与は論外です。

抗がん剤などの確立された(?)西洋医学の治療法と併用するのが代替医療の原則ですよ、とタイトルの「通常治療と併用が原則」という言葉が言っています。
要するに「代替」ではなく「補完」が基本というわけです。

いずれにしろ、この記事に紹介された病院での治療は「混合診療」の可能性も出て来ます。
従来の治療法との併用のデータ集めや、主治医の治療(補完代替医療外来の先生は主治医にはなりえません)の邪魔(?)にならないような配慮が必要です。

研究結果は大体想像がつきます。
「有用である」という結論は考えられません。
「有用であると思われた」「有用の可能性がある」「無用とは言い切れない」といった結論になるものと思われます。




抗がん剤による志望関連サイト>
抗がん剤の副作用死は仕方がない事 ?
http://homepage3.nifty.com/i250-higainokai/subpage4-asiato2.html

白血病で亡くなった息子が抗がん剤は拷問以上だと教えてくれた
http://www.sod-jp.com/page1/'08hakurankai/02.htm



<自遊時間>
ザック・ジャパン、やりましたね!
私もTVにかじりついて観ていました。
堅守とカウンター攻撃。

横パスはほとんどなく縦の攻撃。
パスは皆意味のあるものに見えました。
岡田ジャパンとは明らかに違います。
代表選手も随分変わりましたね。

12日にも韓国戦(ソウル)があるとのこと。
今から楽しみです。


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前半19分、岡崎(右)がシュートの跳ね返りを押し込みゴール(GKロメロ)

岡崎予告1号!ザック初陣大金星!アルゼンチン撃破!!
http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/japan/news/20101009-OHT1T00065.htm




他に
井蛙内科開業医/診療録(4)
http://wellfrog4.exblog.jp/
(H21.10.16~)
井蛙内科開業医/診療録(3)
http://wellfrog3.exblog.jp/
(H20.12.11~)
井蛙内科開業医/診療録(2)
http://wellfrog2.exblog.jp/
(H20.5.22~)
井蛙内科開業医/診療録 
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(H19.8.3~)
(いずれも内科専門医向けのブログです)
「井蛙」内科メモ帖 
http://harrison-cecil.blog.so-net.ne.jp/
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)
「葦の髄」メモ帖
http://yaplog.jp/hurst/
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があります。