補助人工心臓

#二つの補助人工心臓埋め込み=世界初、移植待ちの女性-阪大病院
大阪大医学部付属病院(大阪府吹田市)は18日、心臓移植待機中の30代女性の体内に、二つの補助人工心臓を埋め込む手術に成功したと発表した。
左右の心室の働きをそれぞれ別の人工心臓で補助する方式で、病院によると、世界初という。
(私のコメント;長期間の自宅待機が可能になったのは世界で初)
病院によると、女性は大阪府在住。
2009年7月、劇症型心筋炎を起こし体外式の大型の補助人工心臓を装着。
しかし、症状が悪化し心機能が完全に停止したため、今年1月、新型の人工心臓二つを埋め込んだ(定常流式の植え込み型補助人工心臓)。
 
手術後は、心室の拍動に合わせ、左右それぞれの人工心臓が血流を補助。
脳血管障害や感染症など人工心臓特有の合併症も抑えられているという。
 
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201005/2010051800231
出典 時事ドットコム 2010.5.18(一部改変)
版権 時事通信社

<コメント>
心臓移植を待つ患者に自宅での待機という選択肢を与えるものと期待されます。
植え込み型は、体外型に比べ血流量が多く、脳血管障害や感染症などの合併症も起こりにくいといわれています。
体外型は大型の駆動装置につながれた状態となり退院して家庭へというのは困難です。
埋め込み型では小さなバッテリーを持ち歩くだけですみ、ある程度家庭で日常生活もできます。
この患者さんも最終的には心臓移植のためのドナー待ちということになります。
あくまでも「植え込み型補助人工心臓」は「心臓移植」への「つなぎ」です。


<番外編>
がんワクチンを「高度医療」に認定 第4の治療法に高まる期待
http://sankei.jp.msn.com/life/body/100518/bdy1005182239011-n1.htm
■外科、抗がん剤放射線といった治療法に次ぐ“第4のがん治療法”として期待されている「がんペプチドワクチン療法」について、厚生労働省の先進医療専門家会議が18日、健康保険法に基づく「高度医療」に認定した。
がんペプチドワクチン療法について、国が一定の有効性を評価したもので、国民病であるがんの新たな治療法確立へ期待が高まりそうだ。
久留米大(福岡県久留米市)などが開発、申請していた。
■「高度医療」は、保険適用されるほどの有効性が確認されたわけではないが、一定の効果が期待できる先進的な医療技術(自由診療)に、保険診療との併用を認める制度。
通常は「保険診療」と「自由診療」を併用した場合、すべてが自己負担となってしまう。
■この治療法は、がん細胞を攻撃する免疫細胞が、がん細胞の表面にあるペプチド(タンパクの断片)を攻撃する性質を利用。
ペプチドそのものには害がないため、ペプチドをワクチンとして体内に大量に注射することで、免疫細胞を増殖・活性化させ、がん細胞への攻撃を促進させる。
■現在の技術ではがん細胞を減らすことは難しいが、がん細胞の増殖は抑えられるとされている。
副作用も少なく、抗がん剤が使えなくなった末期がん患者などに対する、延命治療などへの応用が期待されている。
■今回、高度医療に認定された対象は、ホルモン療法が使えない再発した前立腺がん患者。久留米大が約50人を対象に比較試験を行った結果、生存期間の平均が12カ月から24カ月へと2倍に延びた。
同大によると、この技術はほかのがんにも応用が可能で、脳腫瘍や肺がん、肝がん、膀胱がんについても臨床試験を行っているという。
出典 産経ニュ-ス 2010.5.18
版権 産経新聞




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