今年8月のある夕方、通院しながら抗がん剤治療を受けている大阪府和泉市の森元幹二さん(57)を、ぞくっとするような悪寒が襲った。
熱を測ると、38度4分。
妻はすぐさま1枚のカードを取り出し電話をかけた。
熱を測ると、38度4分。
妻はすぐさま1枚のカードを取り出し電話をかけた。
「あんしんカードを持っている森元です。38度以上の熱が出たのですが、どうしたらよいでしょうか」
診療時間外だったが、「すぐ来て下さい」と言われ、車で駆けつけると、腫瘍内科のがん薬物療法専門医、佃(つくだ)博さん(52)が診察。
血液検査し、「抗がん剤の副作用も否定できないが、心配な熱じゃない。水分補給の点滴をして、解熱剤を飲んで様子を見ましょう」と話した。
血液検査し、「抗がん剤の副作用も否定できないが、心配な熱じゃない。水分補給の点滴をして、解熱剤を飲んで様子を見ましょう」と話した。
実はこの病院は、人手不足などから24時間の救急受け入れができないでいる。
だが、抗がん剤は強い副作用を伴うことが多く、通院で治療している患者の場合、体調の変化によっては救急対応が不可欠だ。
そこで、抗がん剤治療をする患者を登録してカードを渡し、カード所有者に限り、いつでも救急診療を受けられる仕組みを作った。
だが、抗がん剤は強い副作用を伴うことが多く、通院で治療している患者の場合、体調の変化によっては救急対応が不可欠だ。
そこで、抗がん剤治療をする患者を登録してカードを渡し、カード所有者に限り、いつでも救急診療を受けられる仕組みを作った。
カード所有患者やその病状はリストにし、病院内で情報を共有。
緊急時、たとえ担当医が不在だったとしても、どう対応したらよいかをマニュアルにまとめ、他の医師でも適切な対応ができるよう準備している。
緊急時、たとえ担当医が不在だったとしても、どう対応したらよいかをマニュアルにまとめ、他の医師でも適切な対応ができるよう準備している。
森元さんは「普通に救急車を呼んだのでは、どこの病院に運ばれるかわからない。このカードがあれば、状態をよく把握している病院の医師に診てもらえるので心強い」と話す。
森元さんの場合、胆管がんが肺に転移した状態で、TS―1という経口の抗がん剤を使う。
「見た目は普通のよくある飲み薬なので、大した副作用はないだろうと軽く考えていたところがあった。気をつけなければ」と振り返る。
「見た目は普通のよくある飲み薬なので、大した副作用はないだろうと軽く考えていたところがあった。気をつけなければ」と振り返る。
佃さんは「副作用は我慢せず、必要な時には迅速に治療を受けることが何より大事。救急が制限された病院でも、工夫次第で安心な体制はとれる。患者さんが、がんになってからの第二の人生を生きるお手伝いになれば」と話している。
<私的コメント>
抗がん剤は、すべて効くわけでも、また効かないわけでもありません。
そのところが難しいところです。
患者も医師も、「抗がん剤が効いて欲しい」と思う気持ちは一緒の筈です。
これが、はたして「がん」にかかった方の「藁(わら)」なのか「救命船」なのか、医学的には結論が出ている筈です。
しかし、医療は不確実なものでかつ個人差もあります。
冷静な判断が必要です。
「腫瘍は縮んだが寿命も縮んだ」ではいけません。
それにしても、化学療法を拒否した際の医療的な受け皿は確立しているのでしょうか。
このあたりが心配です。
化学療法の拒否と診療の拒否は違います。
医療側もこの点はしっかり認識していく必要があります。
「がん難民」が出ないことを祈るのみです。
抗がん剤は、すべて効くわけでも、また効かないわけでもありません。
そのところが難しいところです。
患者も医師も、「抗がん剤が効いて欲しい」と思う気持ちは一緒の筈です。
これが、はたして「がん」にかかった方の「藁(わら)」なのか「救命船」なのか、医学的には結論が出ている筈です。
しかし、医療は不確実なものでかつ個人差もあります。
冷静な判断が必要です。
「腫瘍は縮んだが寿命も縮んだ」ではいけません。
それにしても、化学療法を拒否した際の医療的な受け皿は確立しているのでしょうか。
このあたりが心配です。
化学療法の拒否と診療の拒否は違います。
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