放射線の発がんリスク

この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。


100ミリシーベルト受動喫煙並み

放射線を健康に影響が出るとされる100ミリシーベルト程度浴びた場合でも、がんの発生するリスクは受動喫煙や野菜不足並みにとどまることが、国立がん研究センターの調べでわかった。
肥満や大量の飲酒、喫煙に比べると低い。
低線量の放射線による健康影響を考えるうえで、ひとつの目安になりそうだ。


広島、長崎の原子爆弾被爆した人のうち約4万4000人が、その後、どの程度の割合で肺がんなどを発症したかを長期間にわたって追跡調査した放射線影響研究所などの論文と、国立がん研究センターなどが実施してきた生活習慣によるがん発生リスクの疫学研究とを、同センターの津金昌一郎・予防研究部長らが比較検討した。

原爆で100ミリシーベルト~200ミリシーベルト放射線を浴びた集団は、浴びていない集団に比べてがんになるリスクが1.08倍だった。生活習慣によるリスクと比較すると、1日1箱たばこを吸う夫を持つ妻が受動喫煙でがんになるリスク(夫が禁煙の妻と比較して1.02~1.03倍)や野菜嫌いな人のリスク(野菜を食べる人と比較して1.06倍)よりもわずかに高い程度だった。

肥満や運動不足、塩分の取り過ぎなどでがんを発症するリスクは1.1~1.2倍程度で、放射線を100ミリシーベルト~200ミリシーベルトを浴びた場合よりも高い。

一方、男性の喫煙者はたばこを吸わない人よりも1.6倍がんになりやすい。放射線の被曝量でみると2000ミリシーベルト以上浴びた場合のリスクとほぼ同じだという。

津金部長は「がんは様々な要因が複雑に絡み合って発症する。放射線リスクだけを気にしすぎないようにしてほしい」と話す。

出典 日経新聞・朝刊 2011.4.25
版権 日経新聞







田中好子さんのご冥福をお祈りします。



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