二日酔いの外科医はミスが多い

この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くされている皆様に敬意を表します。



手術前夜に過剰飲酒した外科医は、翌日の午後4時ごろになってもミスを犯す可能性が高く、ミスの発生率はランチタイムの頃が最も高いことが、アイルランドの研究で示された。
航空機のパイロットには搭乗前の飲酒規制ルールが適用されるが、外科医には施術にあたっての規制は存在しない。

アイルランド、ユニバーシティ・カレッジ・コーク校医学部ヒューマンファクター(人間工学)教授のTony Gallagher氏らは、外科医に非常に高度な認知力と知覚力を要求する低侵襲の腹腔鏡手術に着目し、2つの研究を実施した。
1つ目の研究では、腹腔鏡スキル初心者である科学専攻大学生16人を対象に、模擬手術の前夜に禁酒、あるいは酔った状態になるまで飲酒させた。
2つ目の研究では、専門医8人に飲みたいだけ飲むことを許可した。

飲酒指示の有無にかかわらず、被験者をディナーに集め、同席した1人以上の研究者が酩酊度を調べた。専門医は全員、ベースライン(基準度)を調べるためディナー前日に、バーチャルリアリティを利用した低侵襲手術トレーニングシステム(MIST-VR)を用いて模擬手術を実施した。ディナー翌日の午前9時、午後1時、4時に、両群ともに同システムを用いて模擬手術を実施した。

研究の結果、学生の飲酒群と禁酒群の指定時刻でのスコアに有意差はなかったが、飲酒者のほうがミスは多かった。
専門医でも飲酒に関係する同様の問題が見られたが、差は午後1時にピークに達し、午後4時までには横ばい状態になった。ミスは1日中見られたが、午後1時時点で統計学的に有意であった。
また、過剰飲酒の翌朝はベースラインよりも手技の速度が速かったが、研究者らによればこれは「抑制の喪失」によるものという。
禁酒した対照群の学生ではディナー前後のミスの発生率に差が見られなかった。

Gallagher氏は「外科医やその他の医療従事者は、手術前夜に過剰飲酒してはならないことは明白である。過剰の定義は、外科医団体が定義する必要のある問題である」と述べている。
研究結果は、医学誌「Archives of Surgery(外科学)」4月号に掲載された。

出典 Health Day News 2011.4.25
版権 Health Day

<私的コメント>
医学生時代(随分昔)に、脳外科の先生が「手術の前日から好きなタバコを吸わない」と言っていたことを思い出しました。
「吸った時には、顕微鏡手術でメスの震えがはっきりわかる」ということでした。


<自由時間>
「私は日本という女性と結婚」 ドナルド・キーン氏、永住へ帰化手続き
日本文学研究で知られる米コロンビア大名誉教授のドナルド・キーンさん(88)が日本に永住する意思を固め、日本に帰化する手続きを始めたことが15日分かった。関係者が明らかにした。
関係者は「東日本大震災で大変心を痛め、被災者との連帯を示すために永住への思いが固くなったようだ」と話している。

キーンさんは1922年、ニューヨーク生まれ。学生時代に「源氏物語」の英訳を読み、日本文化に興味を抱いた。
日米開戦後は海軍情報士官として、玉砕した日本兵の遺書を翻訳したり捕虜を尋問。
復員後、英ケンブリッジ大、米コロンビア大、京都大で日本文学を学んだ。「日本文学の歴史」「百代の過客」「明治天皇」などの著作で知られる。

三島由紀夫とは京大留学中の54(昭和29)年に知り合って以来の友人で、三島作品の翻訳も行った。2008(平成20)年に文化勲章を受章した。

松尾芭蕉の「おくのほそ道」をたどる旅をし、英訳も出版。東北大(仙台市)で半年間、講義したこともある。それだけに、被災地の状況を心配している。
平泉の中尊寺は難を逃れたが、何度も訪れた松島や多賀城など芭蕉ゆかりの地は大きな打撃を受けた…。

キーンさんはこれまで1年の半分ほどを東京都北区の自宅で過ごしてきたが、26日にコロンビア大で最終講義を迎えることもあり、日本に永住することを決めた。
周囲に「日本が大好きだから」などと説明しているという。

法務省は15日、震災直後の3月12日から4月8日までの4週間に日本から出国した外国人は延べ53万1000人で、このうち発生後1週間では24万4000人だったと発表した。震災発生前の1週間は14万人だった。

震災と福島第1原発事故を受けて、各国が一時的な出国検討を勧告したり、被災地からの帰国支援を実施したことが影響した。

NHKのインタビューに応じたキーンさんは「日本は危ないからと、(外資系の)会社が日本にいる社員を呼び戻したり、野球の外国人選手が辞めたりしているが、そういうときに、私の日本に対する信念を見せるのは意味がある」と語った。

「私は自分の感謝のしるしとして、日本の国籍をいただきたいと思う」とし、夏までに日本国籍を取得する考えだ。

独身を通してきたキーンさんは「私は『日本』という女性と結婚した。
日本人は大変優秀な国民だ。現在は一瞬打撃を受けたが、未来は以前よりも立派になると私は信じる」と、新たな祖国になる日本の復活を信じている。

出典 msn 産経ニュース 2011.4.17
版権 産経新聞





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挙式の行われるウエストミンスター寺院に到着したキャサリン妃=29日、ロンドン(AP)
http://sankei.jp.msn.com/world/photos/110429/erp11042921140016-p13.htm



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バルコニーに現れ、待ち受けた大勢の市民らを前に熱いキスを交わすウィリアム王子とキャサリン妃=29日、ロンドン(AP)
http://sankei.jp.msn.com/world/photos/110429/erp11042921390021-p1.htm

<私的コメント>
皇太子ご夫妻が震災を理由に結婚式へのご臨席をご辞退されました。
このことを論じるのはタブーでしょうが、TV中継を観ながら「どっちがよかったんだろうか」と思いを馳せてしまいました。



<きょうの一曲>
British Anthem, God Save the Queen (with lyrics)
http://www.youtube.com/watch?v=tN9EC3Gy6Nk



他に
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「井蛙」内科メモ帖 
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があります。