熱中症対策には環境対策

熱中症 室温28度・湿度60%以下保とう

ジリジリと焼け付く日差しとともに、夏本番がやってくる。
心配なのが、熱中症
今夏は節電も必要で、普段から体調や温度管理に気をつけないと、気づかないうちに熱中症に陥りかねない。

気象庁の予想では、東日本、西日本ともに気温は平年並みか高めの傾向だが、9月の残暑は厳しくなりそうだ。
猛暑だった昨夏、熱中症で病院に運ばれた人は5万3千人を超えた。

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昭和大学の三宅康史准教授(救急医学)は「蒸し暑い所にいた後か、いるときに、めまいや頭痛、吐き気などの症状があったら熱中症を疑いましょう」と呼びかける。
健康な人でも、工事現場、体育館、お風呂など高温多湿で風通しが悪い場所では、かいた汗が蒸発して体温を下げる機能がうまく働かず、熱中症になりやすい。
環境省によると、糖尿病のほか、心臓や皮膚の病気などがあるなら「体温調節が上手ではなくなっている」と自覚して、早めの対処を心がけた方がよいという。

特に、高齢者は要注意だ。
昨夏に病院に運ばれた人の半数ほどは65歳以上だった。
体温の調節機能が落ち、暑さやのどの渇きを感じにくくなっているためだ。

暑い所にいる若い人は体の変調がすぐに現れやすいが、高齢者の場合、外出しなくても猛暑日と熱帯夜の繰り返しで、食欲が落ちて水分もとらなくなり、脱水と高体温が少しずつ進行し、3~4日ほど後に症状が出ることもある。
そうならないよう室温28度、湿度60%以下に保つことが大事だという。
三宅准教授は「高齢者は水分をたっぷりとる方がよい。持病のある人は水分塩分の取り方など医師に相談して欲しい」と話す。

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今夏はさらに、電力不足の心配があるため、節電にも気を配らなくてはいけない。
資源エネルギー庁の推計によれば、夏の昼間の使用電力の53%はエアコン。
ただし、同庁は「エアコンの控えすぎは熱中症になりかねない。無理のない範囲で節電を」と呼びかける。
エアコンの設定温度を28度にして、窓にすだれをかけて日差しを和らげれば、家庭によっては10%近い節電もできるという。

熱中症かもしれないと、本人や周りの人が気づいたとき、応急処置をどうすべきか。
環境省によれば、
(1)風通しのよい日陰や、クーラーがかかっている室内に運び、
(2)服を脱がせて、うちわや扇風機などであおぐ。氷袋があれば、首や脇、脚の付け根に当てて直接冷やす、
(3)意識がはっきりしているならできれば冷たい水をとってもらう
ことが応急処置になる。

特に注意すべきなのは梅雨明けの蒸し暑い日だ。
体が暑さにまだ慣れていないからだ。
そのため、健康な人ならウオーキングなどで汗をかく習慣を身につける体作りも大事だという。
(杉本崇)

◆相談ナビ
気象庁は7月中旬から当日か翌日の気温が35度以上になると予測されると、都道府県単位で「高温注意情報」を発表し、熱中症への注意を呼びかける。
予防には、環境省の対策マニュアル(http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual.html)も役に立つ。

出典 asahi.com 2011.7.7
版権 朝日新聞社




<番外編>
リンゴ病流行、01年以降最多 手洗いとマスクが重要
ほおに赤い発疹ができる伝染性紅斑(リンゴ病)の患者が2001年以降で最多となったことが、国立感染症研究所(感染研)の定点調査でわかった。
根本的な予防策はないが、手洗いやマスクが重要という。

感染研によると、最新の1週間(6月20~26日)で、1医療機関当たりの患者数は1.47(前週比0.51増)に達した。
都道府県別では宮崎の3.92が最多で、群馬3.16、栃木3.13、埼玉3.03、福島2.71が続いた。

患者のつばなどに含まれるヒトパルボウイルスB19が原因で、子供がかかりやすい。
10~20日の潜伏期間の後、ほおや手足などに赤い斑が現れる。
根本的な治療法やワクチンはないが、多くは自然に治る。

出典 asahi.com 2011.7.8
版権 朝日新聞社








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