長寿地図・2010年度版

厚生労働省が先月末に公表した都道府県別の平均寿命(2010年)が波紋を広げている。
 
平均寿命3位、肥満率日本一
■「長寿県転落」。
沖縄県の地元紙は、1975年から全国1位だった同県女性の平均寿命が3位になったことを、公表翌日の朝刊1面トップで報じた。
男性も30位で、前回調査(05年)の25位から順位を下げた。
 
■男女とも長野県がトップに。
米統治下で広がったファストフード文化の影響もあり、沖縄県の肥満率は日本一。
肝疾患で亡くなる確率も全国トップクラスだ。
 
■男性も80年代には日本一だったが、00年に26位に急落。
「26ショック」と呼ばれた。

■男女とも「日本一の短命県」となったのは青森県
男性は75年以降、ワースト1が続く。
男性は喫煙率が全国1位、塩分の摂取量も2位。
これらが生活習慣病の死亡率を高めていると指摘されている。

地域ぐるみで食生活を指導
■男女2冠の長野県は、1人当たりの高齢者医療費が少ない都道府県のひとつ。
野菜の摂取量も全国1位という優等生ぶりだ。
 
■初めて1位になった長野県の女性は65年には26位。
60年代には脳卒中の死亡率が全国で最も高かったため「減塩運動」が始まる。
「食改さん」と呼ばれる食生活改善推進員が中心となり、塩分を抑えた食事の指導などに取り組んできた。
 
■地域ぐるみの活動は今も続く。
同県佐久市は栄養士会と協力、地元食材を使い減塩で低カロリーの「ぴんころ御膳」の献立を開発し料理コンテストも開く。
 
■「ぴんころ」の名称は、健康で長生きし、苦しまずに往生する「ピンピンコロリ」にちなむ。
ちなみに佐久市には、長寿を願って地元有志が建てた「ぴんころ地蔵」があり各地から“参拝者”が絶えない。
 
塩分摂取多め、「弱点」克服へ
■ただ優等生にも弱点はある。
長野県民の1人当たり塩分摂取量はいまも全国で男性6位、女性8位と多め。
県は来年度、「健康長寿プロジェクト」を始め、弱点を克服する対策を打ち出していく考えだ。
 
都道府県別のランキングが次に公表されるのは5年後。


イメージ 1

 
出典  日経新聞 ・朝刊 2013.2.20
版権  日経新聞


<私的コメント>
図表を見てわかる通り各県の差は僅かです。
数字は一人歩きします。
活字になった数字を信じ込んでしまう習性が我々にはあります。
会計報告然り。
こういった統計はもちろん、入場者数や元旦の初詣の参拝者数なども然りです。
厚労省感染性胃腸炎(食中毒)の統計一つとっても本当かなと思ってしまいます。
第一、当院でこういった患者さんが発生しても保健所に届けません。
もちろん問い合わせもありません。
統計上は(笑ってしまうような)少ない患者数が発表されているのです。
各県別の「塩分や野菜の摂取量」もどうやって調査したのでしょうか。

いずれにしても、この記事で一喜一憂するのは行政の方達だけです。
個人個人が、長寿やピンコロを心がければいいだけの話なのです。