飲むだけの大腸がん検査

= 飲むだけで大腸がんを検査、カプセル内視鏡 =

■「飲むだけ」のカプセル内視鏡で大腸のがんを探す検査が、来年(平成26年)1月から公的医療保険の対象になる。
大腸がんは、がんの死因の上位だが、「恥ずかしい」などの理由で検診の受診率が低い。受
診を促し、早期発見につなげるのがねらいだ。

■藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)では保険適用に先駆けて、(平成25年11月)7日からこの検査を始めている。

■検査は、長さ3・1センチ、直径1・1センチのカプセル型の内視鏡をのみ込む。
2台の小型カメラとLEDライト、バッテリーが内蔵されており、1秒間に最大35枚の画像が撮影できる。
データは随時、受診者が肩から提げたレコーダーに送信される。
数時間後、カプセルは便として排泄される。

■カプセル内視鏡は、小腸用が07年に保険適用されている。
大腸用は7月に国が製造販売を承認。
厚生労働省中央社会保険医療協議会が今月6日、来年1月からの保険適用をスピード承認した。
カプセルの価格は8万3100円。
ここに検査費用が加わり、3割負担なら1回数万円で受けられる見通し。
’’’私的コメント’’’;大腸内視鏡(数千円)に比べてはるかに高額です。恐らくこの検査費用がネックになると思われます。

■ただ、従来の内視鏡と違い、検査中に病変が見つかってもその場で治療できない弱点もある。
精度もやや劣り、2011~12年に国内3施設が行った治験では、66例中4例(6%)で病巣を発見できなかった。

厚生労働省の12年の統計では、女性のがんによる死因の1位は大腸がん。
男性も肺、胃に続く3位が大腸。
年間の死者は計約4万7千人。
一方、便の鮮血検査の受診率は男女ともに3割に満たない(40歳以上)。

出典 朝日新聞・朝刊 2013.11.20
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