口の中見て体調チェック

体調の変化が真っ先に現れやすいのが口の中といわれます。
東洋医学では「舌は内臓の鏡」とも呼ばれ、舌の色や形などを観察して健康状態を知る診断法が重視されており、この診察方法には「舌診」という名前がついています。
自分でも舌を時々観察して「未病」のうちに、早めに対処することが勧められます。

口の中見て体調チェック 「舌は内臓の鏡」とも…

自動舌診の研究進む
気虚中国医学中医学)でエネルギー不足の状態とされ、舌が白っぽく、ぽっちゃりした状態となる。
疲労の蓄積や食生活の乱れ、睡眠不足などで全身が弱っている証拠で、風邪や貧血、うつなど様々な病気にかかりやすい状態にあるという。

■舌の色や形、舌苔(ぜったい)と呼ばれる舌表面の白っぽい付着物の状態などから体の異常を見分ける「舌診」も大きく分けて48種類あるともいわれる。

■舌苔がはがれやすくボロボロの時は、食べ過ぎや飲み過ぎなどで消化器系に負担がかかっている。
舌がはれていたり歯形が付いていたりすると、体力が落ちて余分な水分が体にたまっている恐れがある。舌が紫色や紫の斑点がある場合は、血行の悪化などが懸念される。

■また、舌がひび割れているのならば、栄養や水分が不足している可能性が高い。
舌の先に赤い斑点やブツブツがあれば、感染症や精神面の不調が関係しているかもしれない。

■舌は朝や夜、食事の前後などで状態が変わりやすい。
このため、千葉大学のグループは、舌の画像をもとに自動で診断できる装置を開発した。
椅子に座って装置にあごを乗せ、舌を出す。
色や厚さ、舌苔の色や量などを数値化して判定する仕組みだ。
精度は現在6割以上で9割が目標だ。
そうなれば全国の病院、薬局で舌診ができるようになる。
未病を早く見つけ、生活習慣を見直せば健康な生活が送れる。医療費の削減にもつながる。


口臭もバロメータ
■口臭の成分の多くは揮発性の硫黄化合物で、口の中で不要になった細胞の成分であるたんぱく質を、細菌が分解する際に発生する。
虫歯や歯周病などが原因となる例が大半だが、緊張やストレスなどの影響で臭いが強くなることもある。

■さらに呼吸器や消化器などの病気があると口臭が発生するケースもあるので注意する必要がある。
鼻や喉の炎症のほか、肝臓や腎臓疾患、糖尿病などが原因の場合もある。

口内炎ができたり口が渇きやすくなったりするのも、体調変化のサインになる場合がある。
健康なら特に問題とならない口の常在細菌も、病気など体調のバランスが崩れると突然、悪影響を与えることがある。

■口は骨や歯、粘膜、筋肉、神経、唾液腺などいろいろな組織や器官の集合体。
多様な原因で異常が起きる。
自分の口の中にもっと関心を持つことが大切だ。

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出典 日経新聞・朝刊 2014.1.12
版権 日経新聞


<私的コメント>
医学生の頃、内科診断学で「舌の観察」も勉強したことを思い出しました。
随分昔のことだったのですが、ドイツ語で正常の舌は「デュン ワイスリッヒ ベラーグト」と言うことも覚えています。
呪文のように唱えていたからです。
ひるがえって現在どういった診察を私がしているかというと全く舌などは診察しません。
この記事で大いに反省しました。