ドライマウス

口のなかが渇いている、と感じる症状は「ドライマウス」と呼ばれます。
この病気は、全国に800万人いるという推計もあります。
口が渇くぐらい大したことではないと思いがちですが、軽く考えない方がいい場合もあります。

薄めの昆布茶が効果的

味覚障害や口臭の原因にもなるドライマウス
ドライマウスは、単純に言えば口のなかの唾液が減った状態です。
加齢に伴って増えます。
高齢者の2~3割はドライマウスの状態にあり、要介護にある人だと4割近くになるとの報告もあります。

なぜ、高齢者で多いのか。
老化の影響もあるが、薬の副作用も原因の一つです。
若い人に比べ、高齢者はのむ薬が増えますが、薬の影響でドライマウスになる人も少なくありません。

例えば高血圧の薬
睡眠薬の使用をやめたり、量を減らしたりすることで改善する人も結構多いのです。
そういった場合には薬を整理する必要があります。

口の中の唾液が少なくなると、ものをかみ砕いたり、のみ込んだりしにくくなります。
味を感じなくなる味覚障害の原因にもなります。
食事がとりづらくなれば、当然のことながら体は衰弱してしまいます。

口のなかの潤滑が悪くなり、会話に影響が出ることもあります。
渇きが進み、ひどくなっていくと、口が動かなくなり、しゃべれなくなります。

さて、ドライマウスを予防、改善するには、どうすればいいのでしょうか。

唾液の分泌を促すには、よくかんで食事することを心がけることが大切です。
耳たぶの下からあごの下あたりをマッサージし、唾液腺を刺激するのもいい方法です。
こまめに歯磨きをするのも効果的です。
口のなかが刺激され、唾液が出やすくなります。

もう一つは、昆布茶を使った改善方法。
味覚を刺激することで、唾液を分泌させます。
昆布茶には「うまみ」の成分、グルタミン酸が豊富に含まれているのです。
レモンや梅干しなどの「酸味」が、唾液を分泌させることは知られていますが、うまみは酸味より唾液が分泌される時間が長く続くため、効果が高いといわれます。

塩分の取りすぎを避けるため、昆布茶を通常より3倍ほどに薄め、水分補給も兼ねて1日にペットボトル500ミリリットルほど飲むことがおすすめです。
吐き出してもいいのですが、30秒ほど口に含んで、十分に味覚を刺激するのがポイントとなります。
笹野さんの経験では、約8割の人で改善がみられたということで有効な方法の一つです。

ドライマウスは唾液が減ることで、口のなかの「掃除効果」が弱まり、虫歯の原因や口臭にもつながります。
女性に比較的多くみられる「シェーグレン症候群」などの病気が原因の場合もあります。
多くの場合、目が渇くといった症状も合併します。

参考
シェーグレン症候群
http://www.nanbyou.or.jp/entry/111

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出典 朝日新聞・朝刊 2014.4.7( 一部改変 )
版権 朝日新聞社


<関連サイト>
マウスの涙腺、唾液腺を再生
http://blogs.yahoo.co.jp/koro888suke888/45851096.html

患者800万人 カラオケ歌えないのはドライマウスのせい?
http://blogs.yahoo.co.jp/toshi8686/63137458.html