メニエール病

めまい、適切治療完治を

景色が突然回転/ふわふわした感じ 耳の異常 大半、ストレスも影響
高齢者や女性を中心に「めまい」の症状を訴える人が増えている。
ある日突然、景色が回転しているように見えたり、ふわふわした感じになったりする――。
めまいを引き起こす疾病は様々だが、過度のストレスが病因となるメニエール病など生活スタイルが引き起こす「現代病」でもある。
正確な原因と適切な治療法を見つけることが完治のカギを握る。

メニエール病は、耳の奥にある内耳と呼ばれる器官の一部が、頭の回転や動きを感覚細胞に伝える内リンパ液の増加でむくむことによって起きる。
景色が回転しているようなめまいと難聴や耳鳴りが10分から数時間続く。
めまいの1割程度を占めるとされる。
明確な原因は解明されていないが、ストレスが影響を与えていると考えられている。

脳卒中の恐れも
メニエール病などめまいの症例の7割は耳の器官異常が原因。
耳鼻科の専門範囲だ。

メニエール病同様、耳の器官異常によりめまいを引き起こす疾病が「良性発作性頭位めまい症」。
めまいの4割以上と最も多い。
内耳の中で平衡感覚を担うセンサー役をする耳石器の一部が代謝ではがれ、三半規管にまぎれこんで神経を刺激するために起こる。

めまいが数十秒と比較的短い時間で連続して起きるのが特徴。
メニエール病と異なり原因がはっきりしており、「エプリー法」という頭の位置を動かして耳石を三半規管から出す理学療法が有効とされる。

めまいの原因は耳の器官異常だけでなく、心因性のものや不整脈といった循環器系の疾患、更年期障害など多岐にわたる。
診療科の領域をまたぐため、うつ病などが疑わしい場合は精神科や心療内科などを受診した方がいい場合もある。

多くは直接命に関わることはないが、中には脳卒中を発症していることもある。
れつが回らなくなったり、ものが二重に見えたりするなどの兆候があれば速やかに脳外科や神経内科を受診した方がよい。

女性患者増える
女性のめまい患者が増えている。
メニエール病でみると、70年代は男女ほぼ同数だったが、80年代以降は女性が上回るようになった。
女性の社会進出で職場での人間関係などの悩みが増えたことが影響していると思われる。
 
一方、良性発作性頭位めまい症は運動不足などが原因とされる。
デスクワークのほか、ゲームやスマホを同じ姿勢で長時間続けてもおきる。
引きこもっていたり、寝たきりの高齢者にも目立つ。

めまいについては、耳鼻科医でも詳しく診断できる医師は多くない。
ただ患者数の増加などを受け、専門に受け付ける外来を設ける病院も出てきた。
日本めまい平衡医学会も11年から「めまい相談医」の認定制度を設けた。
一定の講習を受け試験に合格した医師が認定される。
現在440人いる相談医は同学会のホームページで確認できる。


生活改善が有効 運動で発散効果
耳の器官異常で起きるめまいの予防や再発防止には、生活改善も有効だ。

運動が不足し、動かないために良性発作性頭位めまい症が起きる。
代謝が進まず、代謝ではがれた耳石器の一部が外部に出されずに三半規管に移って発症する。

(1)就寝時の枕を少し高めにする
(2)テレビ視聴時などに横にならない
(3)デスクワークやガーデニングをする際には、合間に立ち上がってジャンプなどをする
――といった対策もあるという。

体を大きく前屈したり、円を描くように回転させたりする体操も効果的だ。

メニエール病の予防策は確立されていないが、適度な運動でストレスを発散することが効果がある。
さらに、ホルモンバランスを良くするため、1日約2リットルの水を摂取すると効果がある、との指摘もある。

出典 
日経新聞・夕刊 2014.6.5(一部改変)