血圧と心房細動

ちょい高めの血圧ご用心 心房細動の恐れ1.7倍 国循

脳梗塞を起こす大きな要因として、近年注目されている不整脈の一種「心房細動」は、肥満に、ちょっと高めの血圧が重なるだけで、なりやすさが1・7倍上がることを国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)がつきとめた。
「ちょっと高めの血圧は、思いのほか危険なので、注意が必要」と呼びかける。
 
心房細動は、心臓の一部がけいれんを起こした状態。
これだけで命に関わることは多くないが、心臓内で滞った血液が固まり、脳に流れ込んで脳梗塞を起こす。
脳梗塞の発症率を5倍上げるとされている。
心房細動は自覚症状がないことが多く、早期発見には心電図検査が有効だ。
 
どんな人が心房細動を起こしやすいのか、大規模集団を長期間追跡した研究は少ない。
 
1989年と1996年に30~79歳の吹田市住民から無作為に選んだ約8千人のうち、心房細動をすでに発症している人らを除いた6906人を約13年間追跡調査。
その結果、この期間に心房細動を起こした人は253人いた。
 
統計的に解析すると、収縮期血圧(いわゆる「上」の値)と、身長と体重から計算する肥満度を示す指数BMIが、心房細動発症と深く関わっていた。
そこで、この二つについてより詳しく調べた。

その結果、体重、血圧ともに正常な人が心房細動を起こす危険度を1とした時、BMIが25以上の人は、血圧が120~139と、ちょっと高めになるだけで1・72倍、140以上の「治療が必要な高血圧」になると2・31倍に跳ね上がった。
 
血圧が高めの人は、生活習慣を見直すと同時に、自分の脈が正常か、普段から気にかけておいた方がいい。

引用;
朝日新聞 2015, 4 .28(一部改変)

私的コメント;
高血圧が心房細動の発症の引き金になるという報告です。
奇しくも血圧が、今回と同じ140mmHg以上で脳卒中の発症率がぐっと高くなるという、有名な久山町研究というのがあります。
この記事から肥満も心房細動に関係があることがわかります。
しかし、血圧と肥満を比べた場合に、どちらが心房細動の発症との関係が強いかが分かりません。