粉瘤(ふんりゅう)

治りにくいおでき  あか・皮脂たまる袋、切除が基本

おでこやほおに小さなふくらみができると、人目が気になって気持ちが沈んでしまう。
ニキビ用の塗り薬を使ってもなかなか治らない。
あかや皮脂がたまって大きくなり、炎症を起こすことがあるので注意が必要だ。
 
本来はげ落ちていくはずのあかや皮脂が毛穴の上部にたまってしまう病気を「粉瘤」という。
皮膚の下が袋状になっており、あかや皮脂が外に出られない状態だ。
皮膚は盛り上がり、半球状のしこりになる。
皮膚の開口部が黒い点になっていれば粉瘤と判断しやすい。
 
数年かけて大きくなっていくのが特徴だ。
できはじめは数ミリでも、数センチ以上になることがある。
なかには20センチほどになった人もいたという。
 
毛穴が詰まったり、ニキビがよくできたりする男性がなりやすい。
多くは1個~数個で、顔や耳の後ろ、背中、おしりにもできる。
がんになることもまれにある。
また、「多発性毛包嚢腫(のうしゅ)」という粉瘤の一種は、わきの下や胸、首、背中などに数個~30個ほどしこりができる。

  *  *
 
たまっているのがあかや皮脂なので、皮膚の表面に抗菌薬を塗ってもふくらみは小さくならない。
治療は、皮膚の表面に切り口を入れ、袋ごと取り除くのが基本だ。
小さいものなら日帰りで手術ができるという。
 
あかや皮脂を押し出す方法もある。
臭くてどろっとした内容物が出てくる。
袋は残っているので、再発する可能性がある。
良性の腫瘍なので、取り除くかどうかは患者次第だが、ほうっておくと炎症を起こす恐れがある。
<私的コメント>
この状態を医学的に感染性粉瘤といいます。

炎症を起こすとやっかいだ。
化膿して、痛みと腫れが出る。
ひどくなると、袋が壊れてしまう。
うみを外にかきだして、炎症が治まってから袋を取り除くため、治療は長引いてしまう。

  *  *

患部がふくらむ他の病気と違いはあるのか。
ニキビやおできは菌が増殖して炎症を起こす。
何もないところが急にふくらんで赤くなったり痛くなったりしたら、ニキビやおできの可能性がある。
こうした場合は、抗菌薬を患部に塗ったり、内服したりして治療する。
 
予防策は、洗顔が基本だ。
毛穴が詰まるという点では、ニキビも粉瘤も同じで合併することもよくある。
清潔にすることが大事だ。
洗顔料やほこり、余計な皮脂などが残らないよう、ぬるま湯で丁寧に洗う。
 
ただ、洗顔をしても粉瘤になることはある。

 
関連サイト
日本皮膚科学会のサイト「皮膚科Q&A」
https://www.dermatol.or.jp/qa/index.html
(粉瘤について詳しく解説)
 
花王 スキンケアナビサイト
http://www.kao.com/jp/skincare/
洗顔方法を紹介)

粉瘤、表皮嚢腫、アテローマ、アテローム
http://nagase-keiseikai.com/newpage23.html
(実際の写真が多く掲載されています)

粉瘤(アテローム)に関する原因対策予防室
http://粉瘤.net

粉瘤(ふんりゅう)の手術
http://www.shimuraskinclinic.jp/atheroma.html