大腸がん 自覚症状あれば内視鏡検査

大腸がん 自覚症状あれば内視鏡検査を

大腸がんで亡くなる人は、日本では肺がん、胃がんに次いで多く、2013年の統計では、部位別の死亡数で3位(男性3位、女性1位)だ。
国立がん研究センターは、国内で今年新たにがんと診断される推計98万2100人のうち、大腸がんは13万5800人を占めて部位別で最多になると予測している。
 
日本人の大腸がん増加は、脂肪の多い肉類やハム・ソーセージなどの加工肉を多く摂取するなど、食生活が変化した影響が大きいとの指摘がある。
また、お酒の飲み過ぎや運動不足で肥満があるとリスクが高まるという報告もある。
こうした生活習慣には気をつけたい。
 
治療ではできるだけ早くに見つけて切除することが大事だ。

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最も身近な検査方法は、企業の健康診断などにも取り入れられている「便潜血反応検査」。
少量の便を採取し、便の中に血液が混じっているかどうかを調べる。
体に負担をかけず、費用も安い。
大腸がんを見つけるきっかけとして、極めて有効な検査だ。
ただ、出血のない初期のがんのほか、進行がんでも結果が陽性にならないケースがあり、検査には限界があることも知っておきたい。

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「便秘と下痢を繰り返す」「便が細くなる」などの自覚症状があれば大腸がんを疑う必要がある。
たとえ便潜血反応検査で異常が見つからなくても、心当たりがあれば、病院で「大腸内視鏡検査」など精密検査を受けておきたい。
 
大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入して腸内を観察する。
病変の有無を詳しく調べることができる。
 
検査でポリープが見つかることもある。
当初は良性のポリープでも、あとで組織ががん化するケースもある。
検査時にポリープを切除することもできるので、あらかじめ医師と相談して決めよう。
 
日本人の大腸がんの発生部位は、直腸とS状結腸で計7割近くを占め、肛門に比較的近い場合が多い。
このため、「肛門からの出血」は重要なサインだが、単なる痔と勘違いされやすい。
 
痔の患者さんは数が多く、その中には大腸がんを併発している人もいる。
痔の治療を続けても出血が止まらない場合は、がんが隠れている可能性があり注意が必要だ。


大腸がん、あなたは大丈夫?
① 以前に比べて便が細くなった
② 便に血が混じったり、便の色が変わったりした
③ 便秘と下痢を繰り返す
④ 一度排便したのに、すぐまたトイレに行きたくなる
⑤ ハムやソーセージなとの加工肉をよく食べる
⑥ お酒をよく飲む
⑦ あまり運動せす、肥満傾向がある
⑧ 50歳以上である

① 大腸内に腫瘍ができ、便の通り道がせまくなっている可能性があります
② がんの位置が肛門に近ければ陛に赤い血が混リ)や寸く.紅門から掩い位霖だと便に赤い血がみられることがあります。いずれも大腸内での出血が原因です。
③④ いずれも大腸がんが進行したときよくみられる症状です
⑤⑥⑦ これらの生活習慣病は、大腸がんのリスクを高めると指摘されています
⑧ 50歳以上になると特に発症リスクが高まります


<関連サイト>
国立がん研究センター 「がん情報サービス」
http://ganjoho.jp/public/index.html

国立がん研究センター 「がんリスクチェック」
http://epi.ncc.go.jp/riskcheck/
(男性を対象に、大腸がんリスクの自己チェックができる)