子どもの紫外線対策

子どもの紫外線対策 帽子・長袖…露出減らそう

真夏の紫外線から子どもを守るためにはどんな対策をすればいいのだろうか。

痛みを感じるほど日焼けしたら、まずは、おさまるまで流水やタオルに包んだ氷水袋で冷やそう。
 
病院ではやけどを治す塗り薬などを処方してくれる。
子どもの皮膚は紫外線の防御機能が低い。
乳幼児から気をつけよう。
対策をせずに紫外線を大量に浴び続けると、大人になってから皮膚がんにかかるリスクもある。
    
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薬局などには子ども用の日焼け止めがたくさん並んでいる。
「SPF」は、紫外線の中でも特に日焼けのもとになるUVBから肌を守る効果を示す。
日常生活なら15以上、海や山に行くなら30以上のものを選ぼう。
肌の老化の原因になるUVAの防御効果を示す「PA」は、日常生活なら2+、海や山なら3+がお薦め。
 
肌がかぶれやすい子には、ベビー用の低刺激性で、紫外線吸収剤を使っていないものがよい。
日焼け止めは汗で流れてしまうため、2時間おきに軽く汗を拭いて塗り重ねる。
 
ただ、全国の小学校を対象にした日本小児皮膚科学会などの調査では、プールの授業の時に日焼け止めを禁止または原則禁止の学校が14%あった。
「水が汚れる」などが理由という。
最近は、紫外線対策への関心が高まり、禁止している学校はかなり減ってきているようだ。
    
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服で露出部を減らせば、さらに効果がある。
なるべく長袖を羽織ろう。
特に露出が多くなるのが水遊び。
最近は、上半身を覆うシャツ型水着の「ラッシュガード」も登場。
紫外線カット効果があるものも多い。
 
外出時は、帽子も大切だ。
首の後ろが隠れるように、つばが前にしかないキャップではなく、ハットの形がよい。
顔に浴びる紫外線は、つばの長さ7センチで65%、13センチで90%防御できる。
子ども用の紫外線カットの眼鏡やサングラスも販売されている。
 
一方で紫外線には、骨の発達に不可欠なビタミンDを生成させる作用がある。
日光を避けすぎることで摂取不足になると心配する専門家もいる。
ある研究によると、成人が1日に必要なビタミンDは、例えば7月の晴天日の午後3時で約10分間、両手の甲と顔を日光に当てれば摂取できる。

ビタミンDは魚にも含まれるが、食事だけで全てとるのは現実的でない。
子どもも過度に紫外線を避けすぎず、大人と同じぐらいの時間の日光浴で補って欲しい。


<すぐに肌赤くなる人は要注意> 
紫外線量が多いのは4~9月の晴天日、午前10時~午後2時。
近年、晴天が増えたため、紫外線は微増している。
子どもの体に紫外線が与える悪影響は二通り。
浴びた直後、皮膚が赤くふくれたりする。
さらに、対策せずに浴び続けると、大人になってから皮膚がんや白内障などになるリスクが高くなる。
 
どれだけの量を浴びたら有害かは、肌のタイプによって違う。
日焼けするとすぐに赤くなり、黒くならない人は皮膚がんなどにかかる確率が高い。
要注意だ。


<避けすぎはビタミンD不足に> 
かつて母子手帳には、「外気浴か日光浴をしていますか」という項目があり、乳児を太陽光に当てるよう薦めていた。
しかし、小児科医らから紫外線による皮膚がんのリスクの指摘を受け、厚生労働省は1998年、「日光浴」という言葉を削除した。
一方、最近では新生児の少なくとも2割はビタミンD不足で、骨の成長が不十分とする研究結果も発表されている。
妊婦が日焼けを避け、母乳がビタミンD不足になることが原因と考えられるという。