男性の薄毛

男性の薄毛、治療法は 効果には個人差、よく相談を

男性の薄毛は男性型脱毛症(AGA)と呼ばれ、専門クリニックも登場している。
治療法や注意点は・・・。

なぜ、男はハゲるのか。
AGAは20代後半から40代までに進み、日本人の成人男性の3割がなる。
 
AGAの主な原因は男性ホルモンの一つ「DHT」(ジヒドロテストステロン)。
代表的な男性ホルモン「テストステロン」が酵素の影響を受け、変化したものだ。
DHTは、髪の毛の成長を邪魔してしまう。
以前ほど太く、長く成長しなくなり、細く短いうちに抜け替わるようになる。
産毛のような状態になり、遠めにはハゲて見える。
 
つむじや、おでこの生え際にある髪の毛がDHTの影響を受けやすいので、AGAの男性はこの部分が薄毛になる。
薄毛になる、ならないの差はDHTへの感受性の個人差だ。
 
当然のことだが病気ではないので、治療を受けるかどうかは個人の判断となる。

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AGA治療薬として、日本で承認されているのは3種類。
飲み薬は「フィナステリド」と「デュタステリド」。
ともに男性ホルモンを変化させる酵素に働きかけ、薄毛の原因となるDHTができるのを抑える。
残る一つは塗り薬の「ミノキシジル」。
血流を改善し、毛根の細胞を活性化させ、発毛を促す。
 
日本皮膚科学会ガイドライン(2010年版)は、フィナステリドとミノキシジルによる男性へのAGA治療を最も推奨する治療方法としている。
専門クリニックに通うと、今年6月に新たに登場したデュタステリドを含め、これらの薬を組み合わせた治療を受ける。
自由診療なので、全額が自己負担だ。
 
ある専門クリニックの院長は「月1万~3万円を治療費のメドと説明している」と話す。
金額や治療内容は、クリニックによって異なる点もある。

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治療を始めてすぐに生えるわけではない。
最低でも半年はかかる。
また、全員が納得できる発毛効果があるわけでもないし、治療継続中ずっと発毛が続くわけでもない。
個人差はあるが、以前のような太く長い髪が増えるのは1年ぐらい。
その後は『維持』の段階に入る。
治療をやめると、再び薄毛になっていくという。
 

<女性は塗り薬のみ> 
女性も男性型脱毛症(AGA)になる。
男性ホルモンの影響がはっきりしないので、女性型脱毛症と呼ぶこともあるという。
男性とは異なり、女性は頭頂部だけが薄くなりやすい。
40代から高齢期に差し掛かるまでの間、発症する。女性の場合、治療には塗り薬のミノキシジルを使い、飲み薬は使わないことになっている。
胎児の成長に影響が出たり、そもそも効果がみられなかったりするためだ。
よく耳にする円形脱毛症は、AGAとは違って、病気なので保険がきく。
皮膚科で治療が受けられる。

<誰の目を意識?> 
薄毛について、男性は「異性」の目を気にするが、女性は「同性」を気にする。
リクルートライフスタイルの調査でそんな結果が出た。
薄毛が気になるという20~69歳の男女計2154人に今年7月、薄毛の意識調査をした。
男女とも最も気にするのは「他人の目すべて」。
2位は対照的で、男性は「職場の異性」が21.8%。
女性では「同性の友人」で26.1%だった。
「何歳から薄毛が気になりだしたか」という質問では、男性は40代前半が15.7%と最も多く、女性では50代前半の16%が最も多かった。

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参考
朝日新聞・朝刊 2016.12.25