インフルエンザ治療薬

インフルエンザ治療薬 家庭内感染防ぐため予防投与も

2016年は、インフルエンザの流行が例年になく早く始まり、年末年始に流行のピークを迎える地域も出てきそうだ。
インフルエンザにかかったときの水分補給のポイントや、治療薬の概要、家庭内感染の予防方法にはどのようなものがあるだろうか。

インフルエンザにかかったら水分補給はどうすればいい?
冬に流行する感染症には、インフルエンザのほかにノロウイルス感染症ノロウイルスによる感染性胃腸炎)がよく知られているが、この2つの疾患では水分補給の方法が少し異なることをご存じだろうか?
 
ノロウイルスが胃・小腸・大腸などの消化管に感染するのに対して、インフルエンザは鼻腔・咽頭・気管支・肺などに感染する気道感染症だ。
下痢・嘔吐によって大腸の水分が失われるノロウイルス感染症では、脱水症状に陥る危険性が高いため、お茶や水ではなく、ナトリウム・カリウムなどの電解質が体に近いバランスで含まれている経口補水液での水分補給が推奨される。
 
一方、インフルエンザの場合、嘔吐・下痢は短期・軽度であることが多く、発熱による発汗や、食事がとれないことなどが脱水の主な原因となるため、まずは食べられるものを食べることが大原則になる。

治療薬は何種類? どんな特徴があるの?
インフルエンザの治療薬として用いられるノイラミニダーゼ阻害薬は、現在、4つの種類が使われており、経口薬、吸入薬、点滴薬の3つの剤型がある。
飲み薬か吸入薬か点滴か、1日2回を5日間か、1回のみの服用か、といった使い勝手を基準に医師が使い分けている。
自分でうまく吸入できない乳幼児には、経口薬(粉薬もあり)のタミフルが主に使われる。
 
今シーズンは、タミフルが1歳未満の小児にも保険適用されたほか、吸入薬のイナビルの予防投与が10歳未満の小児に対しても可能になった。

家庭内感染を防ぎたい! そんなときは
家族がインフルエンザにかかってしまった場合、なんとかして家庭内感染を食い止めたいもの。
患者にはできるだけ家族と離れた場所で療養してもらい、食器などの共用や不必要な接触を避けるのが第一だが、同時に、室温・湿度の管理も重要になってくる。
 
インフルエンザウイルスは寒冷乾燥を好み、高温多湿に弱いという特徴がある。
湿度が低く、空気中に水分が少ないと、せきやくしゃみなどで勢いよく出た飛沫は遠くまで飛ぶが、室温20度以上、湿度 50~60%になると、空気感染による感染リスクが下がる。
 
また、「家族に高齢者がいる」「子どもが大事な受験を控えている」など、どうしても家庭内感染を防ぎたい事情がある場合は、医師に相談して、インフルエンザの治療薬を「予防投与」してもらう方法がある。
インフルエンザの治療に使われる抗インフルエンザ薬(ノイラミニダーゼ阻害薬)のうち、点滴薬を除いた「タミフル」「リレンザ」「イナビル」の3種類は、インフルエンザの予防目的に使うことが認められている。
ただし、あくまで予防としての使用なので、ワクチンと同様、保険は使えず全額自己負担となる。
 
抗インフルエンザ薬の予防投与を行うための第一の条件は、家族など同居の人がインフルエンザにかかっていることだ。
さらに、健康な人よりもインフルエンザにかかりやすい、あるいはかかった場合に重症になりやすい「65歳以上の高齢者」「気管支喘息など慢性の呼吸器疾患がある」などの条件に当てはまる人が予防投与の対象となる。
対象外の人でも予防投与を受けることは可能だが、その判断は個々の医師の価値観によっても変わってくる。

 
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参考
日経新聞 2016.12.6



<関連サイト>
今年のインフルエンザワクチン
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/39052940.html

インフルエンザ… 今年はA香港型が9割
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/39452702.html

今年のインフルエンザワクチンは効く?
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/41886230.html

今年のインフルエンザワクチン
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/42549367.html