がんを防ぐ

がんを防ぐ 二大要因は食事と喫煙

がんは、遺伝子が傷つけられることによって細胞ががん化することで起こる。
遺伝子を傷つけて細胞のがん化を促すものには、化学物質、ウイルス、放射線、紫外線、食物
などが挙げられる。
海外の研究では、食生活の改善で予防できるがん死亡の割合が35%、禁煙によって予防できる
がん死亡の割合は30%という推計がある。
 
がんを防ぐ方法の第1はやはり、食生活の改善と禁煙である。
食生活とがんの関連性については様々な研究が進められている。
例えば、塩分が多い食生活が続くと胃がんになりやすく、一方で、β力口テンやビタミンAを含む緑黄色野菜を多くとると、がんの予防につながると考えられている。
 
また、静岡県のがんの死亡率が低いのは、緑茶を多く飲む習慣と関連が深いという研究報告もある。
 
がんのなかには一部、遺伝性のものがあるが、家族のなかにがんになる人が多いというケースは、同じような食生活を送っていることが背景にあることが多い。
 
喫煙については、例えば喫煙男性が肺がんで死亡する割合は非喫煙者の数倍高いという報告がある。
 
たばこの煙には約200種類の有害物質が含まれ、この中には、ベンツピレンなど10種類以上の発がん性物質が含まれており、喫煙ががんのリスクを高めることは多くの研究が示している。
 
がんを防ぐ第2の方法は、早期の発見と治療の徹底だ。
検診でがんが発見された患者の死亡率は明らかに低い。
検診の過程でも、DNA検査や、血液などの測定でがんの状態を知る「腫瘍マーカー」検査
など、最新の技術を活用していくことが大切だ。
 
最近、ある国立病院のがん専門医の間で「がんの患者さんが減ってきた印象がある」ことが話題になっている。
 
現在、日本人のおよそ2人に1人ががんを患っている。
ただ一方で、この数十年、がんの研究も進み、がん検診の進化によって、がんの予備段階で発見
されるケースも増えている。
もちろん、がんの予防についての多くの啓発活動も地道に続けられてきた。
  
「がん患者が減った印象」は医師の感覚的なもので正確なデータはない。

参考・引用
日経新聞・朝刊 2013.11.9


<関連サイト>
喫煙で遺伝子の突然変異増 「がん予防に禁煙重要」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG03H6J_U6A101C1CR0000/
・たばこを吸う本数が多いほど細胞の遺伝子に傷がつく突然変異の数も増えることを突き止めた。特に肺がんで突然変異数が多かった。がんは遺伝子の突然変異により発生し、その原因の一つが喫煙とされてきた。研究チームは「禁煙ががん予防に重要だ」と改めて強調している。
・肺、喉頭、口腔(こうくう)、膀胱(ぼうこう)、肝臓、腎臓の6種類のがんで、喫煙によって遺伝子の突然変異が有意に増えていた。

「コーヒーはがんに効果あり」は本当か?
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO96626800Y6A120C1000000?channel=DF140920160927

中川恵一氏 ~がんについて正しく学ぶ 日本人にこそ必要な、がん教育と早期発見
https://www.blwisdom.com/linkbusiness/linktime/future/item/9474-92.html

がん徹底対論 立花隆 × 中川恵一 がん闘病中の「知の巨人」vs「がん検診の伝道師」
https://gansupport.jp/article/series/series13/3591.html