処方箋、どの薬局に?

処方箋、どの薬局に持って行く? 実は異なる負担額 ジェネリックやかかりつけ、サービスも見極め

医師の処方箋を持っていけば、どの調剤薬局でも薬を受け取れる。
しかし、どの薬局を選ぶかによって窓口での支払額やサービスに差が出ることがあるのを知っているだろうか。
自分に合った薬局を選び、賢くつきあっていきたい。
 
薬局で処方薬を購入すると支払いの内訳を記した明細書が渡される。
これを見ると薬自体の代金以外にも「調剤基本料」「薬剤服用歴管理指導料」など、様々な費用がかかっていることがわかる。
 
処方箋に基づいて薬を用意し服用方法を説明したり、他に服用している薬はないかを点検したりする薬剤師のサービスなどへの対価に当たる費用だ。

私的コメント;
これらは本来は処方する医師が行うべきことです。
「おくすり手帳」も、処方する際に、医師がチェックするべきものです。
私(院長)は処方する際に持参された手帳を見てか処方するようにしています。
しかし、持参されない患者さんも多く、特に他院にかかられてから当院を受診される際にはチェックのしようがありません。
現在の、処方後に薬剤師がチェックをする方式は矛盾に満ちています。
もちろん、院内処方で医師が薬剤師と同様のことを行っても「調剤基本料」「薬剤服用歴管理指導料」は加算できません。
逆に言えば、院内で調剤される場合には窓口負担は随分少なくなるともいえます。


金額は国が全国一律の基準を定めている。

なかでも、患者が処方箋を1枚持ち込むごとにかかる基本料金(調剤基本料)は4月から一部基準が変わった。
 
街なかの薬局に行くと120円(医療費の窓口負担が3割の場合、10円未満を四捨五入、以下同)だが、病院の周囲にあり一定条件を満たす門前薬局なら80円、大手チェーンの門前薬局は50~60円、2016年に規制緩和で認められた病院の敷地内にある門内薬局は30円となった。
 
病院の敷地内やその周辺にある薬局は持ち込まれる処方箋が多く、薬局が集中しがち。
4月からはそうした薬局への報酬が減る形になった。
 
利用者からすると同じ処方薬なら街なかの薬局より、門前や門内の薬局で購入したほうが安くなる。

私的コメント;
これは院外処方の場合であって院内調剤のことは触れていません。
先ほど述べたように、どれよりも院内調剤が安いのです。

高血圧で服薬中の50代の会社員の男性は、「今まで仕事の外出先で見掛けた薬局に処方箋を持ち込んでいた。料金に差があるとは知らなかった」と話す。
 
一方、4月の改定では在宅訪問など地域医療に力を入れる薬局、ジェネリック(後発)医薬品利用に積極的な薬局は今まで以上に報酬を手厚くした。国は地域貢献や医療費抑制に取り組む薬局を後押しする狙いだ。

私的コメント;
最近、ジェネリックの某降圧剤の成分の中から発がん物質が見つかりました。
ジェネリックを推進する厚労省にとっては「不都合な事実」のためか、あまりリアクションはありませんでした。
薬効が少ない可能性があるばかりか、こういった危険なジェネリックもあるのです。
コスト意識を優先するあまり、国民が危険に晒される図式は、原発推進により国土や国民が危険に晒される構造にきわめて似ているといえます。

こうした薬局の違いは明細書で調剤基本料の点数を見たり、薬剤師に尋ねたりすればわかる。

私的コメント;
こんな手間暇かかることをするくらいなら、院内調剤の医療機関を探すほうが効率的です。

タイムラグはあるが薬局所在地の地方厚生局が定期的にホームページで公開・更新している施設基準の届け出状況からも確認できる。
 
薬局のタイプだけでなく、利用者の行動や判断によっても窓口での負担額が変わる。
例えば夜間や休日に薬局を使うと負担額が増える。

処方された薬の名前などを記録しておく「お薬手帳」を持ち歩き、同じ薬局(門前などを除く)を6カ月以内に再び利用した場合は負担が減る。

私的コメント;
なんとも複雑な体系をつくり上げたものです。
日本人ないしは日本の官僚の特性なのでしょうか。
コンピューターがやってくれるからいいのかも知れませんが、その前にこういった複雑な料金体系をその都度インプットするのは人間です。
そもそも、厚労省が院外調剤の旗振りをしてから国民医療費が急激に増加しました。
この制度にぶら下がる薬業界の人々が多いわけですから、当然といえば当然です。
全国の薬学部も「雨後の筍」のように星の数ほど増えました。

お薬手帳の機能を備えた日本薬剤師会や薬局チェーンのスマートフォンアプリもあるので活用したい。

同じ薬でも支払額に差が出ると聞けば、少しでも安い薬局を利用したくなるが、健康にかかわる問題なので費用だけではなく、サービスなども含めて判断するのが得策だ。
 
例えば16年4月に始まった「かかりつけ薬剤師」の制度。
患者が服用する薬について、別々の病院からもらった薬の中に飲み合わせの悪いものはないかなどを、同じ薬剤師が一元管理する。「かかりつけ医」の薬剤師版だ。
 
かかりつけ薬剤師を決めると「かかりつけ薬剤師指導料」が1回あたり220円かかる。
しかし、医師には聞きにくい質問をしたり健康相談したりして、より密接な関係が築けるので、結果として薬の量が減るなどの効果が期待できるかもしれない。

私的コメント;
質問しやすい医師が身近にいれば、何もこういった苦労をする必要はありません。
何よりも一銭もかからないわけですから。
「かかりつけ薬剤師」と書かれていますが、実質は「かかりつけ薬局」です。
厚労省もどんどん調剤薬局の「儲け(鼻先のニンジン)」を増やしています。

また、ジェネリック医薬品の取り扱いが多い薬局を利用することで服用薬をジェネリックに代えられるなら、薬価の負担額は減る。

私的コメント;
先述のごとく、ジェネリックは必ずしも「無印良品」とは限りません。
また、副作用が出ても先発品の場合とは違って医師は厚労省に副作用報告を提出しません。
ジェネリックに副作用なし」と揶揄される所以です。
 
「利用する側が価格だけで薬局を選び、薬の説明をしっかり受けられなかったとしたら問題」と指摘する関係者もいる。
 
同時に、長い目でみて相談相手となる薬剤師を探すことも大切だ。
サービスや価格を見極めつつ自分に合った薬局・薬剤師を選択できれば、健康管理に役立ちそうだ。

私的コメント;
この記事は「最初に院外処方ありき」になっています。
院内処方については一切触れられていないことが気になります。

参考・引用 一部改変
日経新聞・朝刊 2018.4.21