夢へ前進iPS細胞研究 その2(2/2)

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マイケル・ルー「T・フォー・テイスティ」
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安全性高める実験も次々と

iPS細胞の安全性を高める研究もある。

iPS細胞は体細胞に遺伝子を入れてつくる。
その際、レトロウイルスやレンチウイルスなどを運
び役に使う。
しかしウイルスは細胞の遺伝情報を書き換える性質がある。
解決法の一つが、より安全な遺伝子導入法の開発だ。

京都大はウイルスを使わない方法や狙った場所に遺伝子を入れ込む方法を探る。
埼玉医科大は、ヒ卜ES細胞で研究を重ねてきた別
のウイルスを使うことで安全性や効率を上げることを狙う。
自治医科大は、サルを使ってヒトに応用した場合の安全性の検証試験を検討して
いる。

研究拠点となる京都大は理研BRCを通し、今春にも研究者向けにiPS細胞を
配布する。
研究の社会的影響も考え、生命倫理に詳しい東大先端科学技術研究センターの
米本昌平特任教授にアドバイスを求めている。

「臨床」見据えライブラリー

臨床応用を見据え、iPS細胞のライブラリーの構想もある。
国立病院機構大阪医療センターと慶応大は今春から約200種類のiPS細胞づくり
を始める。
施設で保管し、脊髄損傷など早い治療が必要なケースに対応できるようにするという。

iPS細胞は患者の皮膚からつくるため、病気の原因解明や創薬にも役立つ。
「ES細胞より管理がしやすい。3年以内に多くの施
設で使ってもらいたい」と理研CDBの笹井芳樹グループディレクターは言う。
扱い方などの技術を研究機関や企業に広める計画だ。

一方、「iPS細胞ばかりに研究が偏ってはいけない」と理研CDBの西川伸一副
センター長は指摘する。
ES細胞や体性幹細胞にかんする知識を蓄積していけば、iPS細胞の研究にも役立つ。
病気ごとに向き不向きもある。
再生医療へのすそ野を広げるために平行して進めることが大切だ。思いもよらない
新しい研究が日本から出てくることを期待している」
とエールを送る。

朝日新聞・朝刊2008.2.18
版権 朝日新聞社

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