口臭

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きょうは少し趣向を変えて歯科領域のお話です。
もうすぐ6月4日、虫歯予防デーを迎えます。
きっと1週間前ぐらいから新聞などで歯科医療の話題が出てきそうです。

舌のブラッシングで清潔に

ある時、鏡の前で思い切り舌を出してみると、舌の中ほどから奥にかけて白っぽく
なっていることに気づきました。
普段から口臭がするのでは、と気になっているので鏡に口の中をよく映して見ます。
白っぽいのは何?ひょっとしたらこれが・・・・。
    
   ■ □ ■

日本歯科大の八重垣健教授は「虫歯や歯周病のない健康な人で口がにおうのは、]苔舌(ぜったい)と呼ばれるものが大きな原因と考えられます」と言う。
 
舌苔は、はがれ落ちた口腔の粘膜の細胞や細菌が舌に付いてできる。
鏡で見つけた白っぽいものがそうだという。
読んで字のごとく、舌の表面に苔のように張り付く。
 
舌は、系状乳頭という、凹凸のある組織で覆われているので、細菌が引っかかり
やすい。
 
この舌苔が分解されると、硫黄化合物になる。

やっかいなのは、揮発性で、息と一緒に口から出て不快なにおいが人の鼻に届く。
例えると、「夏場、生ゴミを腐らせちゃったにおい」と八重垣さん。
 
口臭は大なり小なり誰にでもある。
人は普段からかいでいるにおいには慣れてしまうから、自身の口臭には気づき
にくい。
でも、自分の口からそんなにおいが出ていると思うと、ぞっとする。

ますます不安を募らせて、新潟大医歯学総合病院の口臭測定器で口臭を測って
もらった。
ストローのようなものを口でくわえて約1分。
硫化水素とメチルメルカプタンが検出された。
ともに、においの原因となるが、「他人がにおいを感じるほどの量ではない」と
言われてほっとした。
 
もっとも体調の変化でにおいの強さは変わる。
朝起きた時に自分で口臭に気づくのは、睡眠中は唾液の量が減ってつばをのみ
込む回数も減り、細菌が増えやすいから。

においの元になる舌苔を除去するにはどうしたらいいのだろうか。
日本歯科大新潟病屍の大森みさき准教授に聞いてみた。
 
「舌専用ブラシを使ってブラッシングすることです」。
舌専用ブラシは、最近ではドラッグストアなどでも手に入る。
「歯ブラシは毛が硬くて舌が傷つきやすい。また、毛の長さがあって舌の奥の方
まで入れにくいので、やはり、舌専用ブラシかいいですね」
 
鏡を見ながら舌を出し、舌苔が付着している部分にブラシを入れて、奥から手前
へ引いてかき出す。
これを数回繰り返すが、力を加え過ぎて舌の表面を傷つけないよう
し注意する。こすりすぎて乳頭を傷つける
)とのないようにしなければいけない。
    ■ □ ■
実は、よくかんで食べることも、口臭を予防することになる。
食べ物が舌の上を通る時、舌苔を削り取るからだ。
 
新潟大学大学院医歯学総合研究科の宮崎秀夫教授は、介護を受ける高齢者の口
の健康管理の必要性を説く。
抵抗力が下がると、口で繁殖した菌が体内に入って肺炎などを引き起こす危険性
があるからだ。
 
「寝たきりの人にとって、おいしく食べて、、周囲の人と会話することこそ大事
なリハビリ。
口臭が原因で会話が滞らないようにするには、介護者の協力が不可欠です」と
強調する。
            

<コメント>
以前、舌ブラッシングは良くないと聞いた記憶があります。
医学的にも舌苔の原因をつきとめて、舌苔ができない環境を整えることの方が大切
ではないか。
そう思ってしまうのですが。
最近、考えが変わったのでしょうか。


読んでいただいて有難うございます。
コメントお待ちしています。


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