目と紫外線

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多方面から入射 帽子・眼鏡で対策を

屋外で過ごすことが多くなる季節。
日傘をさしたり、日焼け止めクリームをぬったり、肌の紫外線対策を気にする人は
増えているが、では、目はどうだろうか?
 
紫外線は、目の様々な病気の原因になることが最近の研究でわかってきた。
しかし、ジョンソン・エンド・ジョンソン(本社・東京)が今年、全国の男女
千人に聞いた調査では、「紫外線が目に悪影響を与えることを知っている」と答えた
人は、4年前の47%から65%に増えたものの、30%は目を守るための対策を
何もしていなかった。
 
強い紫外線を浴びると、目は充血や角膜炎など、急性障害を起こす。
スキー場での「雪目」が代表的だ。
さらに長年、紫外線にさらされることで、白内障や結膜(白目)が異常増殖する
翼状片がひき起こされる。
こうした慢性障害は発症まで20、30年かかることが多く、ダメージの実感が
ないため要注意だ。
  
紫外線は薄曇りでも晴天の約8割が地上に達している。
反射・散乱するので、木陰や日陰にいても浴びている。
    

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実際、目にはどのくらい入っているのか。
金沢医科大学の佐々木洋教授(感覚機能病態学・眼科学)らは、マネキン人形
使って実験をした。
マネキンの目に紫外線センサーを付け、顔は歩くときの人の視線とほぼ同
じ下15度に傾け、常に太陽が正面上方から当たるようにして、日の出から日の
入りまでを計測した。

肌が浴びる紫外線は午前10時から午後2時ごろが最も強いとされる。
実験の結果、目に入る紫外線は、春から秋は朝(午前8時から9時半ごろ)と、
夕(午後2時から3時半ごろ)が日中の2倍近くあることがわかった。
ちょうど、通学通勤で外にいることが多い時間帯だ。
 
さらに都心のオフィス街で、ビルの壁や路面での反射や散乱の影響を調べたところ、
時間帯によらず、あらゆる方向から目に入射していた。
「建物で直射は遮られていても、目は常に紫外線を浴びていると考えてほしい」と
話す。

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有効な対策として佐々木さんが勧めるのは、つばの広い帽子と、UV(紫外線)カット
機能付きの眼鏡またはサングラスの併用だ。
「日傘や帽子は直射をカットするが、散乱には効果が少ない。帽子の方が目に近い分
いいが、単独ではだめ」という。
 
眼鏡やサングラスは、スポーツグラスのように顔にぴったり合うものを。
小さなファッショングラスは、すきまから紫外線が入り込む。色はやや薄いものがいい。
濃いと、暗さで瞳孔が大きく開き、かえって紫外線が入ってしまう。
角膜(黒目)全体をカバーするUVカットのコンタクトレンズも有効だ。
 
佐々木さん自身は、UVカットのコンタクトレンズ、眼鏡、帽子の3点をセットで使う。
「海や山に出かける時だけでなく、 日常から心がけてください」とアドバイスして
いる。

出典 朝日新聞・夕刊 2008.5.26
版権 朝日新聞社

<番外編・ホットニュース>
米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「フェニックス」が無事着陸を果たし、周回衛星
も含め、火星で稼働中の無人探査機は米欧の計6機となった。近い将来さらに2機が
打ち上がる予定で、有人飛行への布石になりそうだ。

現在、火星表面ではNASAの探査車「スピリット」と「オポチュニティー」が4年以上
にわたる活動を継続中で、周回機の「マーズオデッセイ」と「マーズ・リコネサンス・
オービター」、欧州宇宙機関(ESA)の「マーズエクスプレス」が、データ中継や全球
の詳細な地形・地質調査、大気の観測をしている。NASAは2009年に、ESAは
13年に探査車を打ち上げる予定。

ダグ・マッキスチョン火星探査計画部長は「これからの無人探査は、人間がどうやって火星
で活動できるかの理解に、重要な役割を果たす」と話している(共同)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/147847

<火星の居住適性>
生理学的に見れば、火星の薄い大気は真空同然である。宇宙服などで保護されていない
生身の人間であれば、火星の表面ではわずか20秒で失神状態に陥り、1分たりとも生存
できないと考えられている。
しかし火星の環境は、灼熱の水星や金星、木星などの極低温の太陽からさらに遠い軌道
を巡る惑星、真空の月や小惑星と比べればはるかに住みやすい環境だとも言える。
また、地球上の人間が探検した範囲内にも、火星とほぼ同じ条件の自然環境がある。
有人気球が到達した最高高度は、1961年5月に記録された34,668m(113,740フィート)で、
この高度での気圧は火星表面と同じぐらいである。
北極と南極の極端な寒さも、火星の極端な温度と同等である。
また、地球の沙漠も火星の地形と類似している。

将来的には、火星の環境を、人間を含めたさまざまな生物がそのまま居住可能なように
改造することが出来るようになるのではないかと予測されている。
とはいえ、火星環境の地球化、いわゆるテラフォーミングが本当に実現可能かどうかは
現時点では何ともいえない。倫理上の問題も指摘されており、議論となっている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E6%98%9F%E3%81%AE%E6%A4%8D%E6%B0%91
(ウイキペディアからの紹介です)


<あるニュース記事より>
NASAの究極の目的は「マーズ・テラフォーミング」、すなわち火星の環境を地球
のようにし、人類が火星に移住できるようにすることだという。
そのためにはまず、火星表面に存在する水(氷)、大気の主成分である二酸化炭素を使って
緑色植物に酸素を作らせる。
数百年すればある程度酸素がたまるし、紫外線の作用でオゾン層もできるはず。
千年もすれば火星の環境も地球のようになる、というのがNASAの考えである。

「紫外線」と「火星」。
何の関係もないと思っていた2つの話。
実は意外と関係があったんですね。


<コメント>
紫外線については以前にもこのブログで書きました。
紫外線対策
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2008/05/12



読んでいただいて有難うございます。
コメントお待ちしています。


医療専門のブログは別にあります。
井蛙内科開業医/診療録(2)
(内科専門医向けのブログです。)
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科開業医/診療録 
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(~H20.5.21)
葦の髄から循環器の世界をのぞく
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(循環器専門医向けのブログです)
があります。