画面から目を守ろう

パソコン、スマートフォンスマホ)などIT機器の画面をずっと見ていると目が疲れます。
これは体全体にも悪い影響を与えます。

画面から目を守ろう 寝る2時間前、スマホ控えて

ためしに、いまから10秒間、目を開けたままでいてみよう。
我慢できず途中で目を閉じてしまった人はドライアイの疑いがある。
涙の量が減るなどして目の表面が荒れる病気だ。
このドライアイはパソコンやスマホをよく使う人がなりやすい。
画面に集中すると、無意識のうちにまばたきの回数が減る。
目の表面を覆う涙が蒸発しやすくなり、その結果、目の疲れや痛み、ショボショボやゴロゴロを感じるなどの症状が出る。

目の疲れは、ピントを調節する筋肉の凝りからもくる。
人は近くを見る時、眼球にある毛様体筋を緊張させ、水晶体を厚くすることでピントを合わせる。
近くの画面を長時間じっと見続けると毛様体筋は緊張しっぱなしだ。
首や肩の凝り、頭痛、イライラの原因にもなる。

パソコン操作などで目の疲れを感じたら、画面から目を離して休憩するのが一番。
目を潤すために意識的にまばたきを増やしてみるのもよい。
遠くの景色を見ると毛様体筋の緊張をほぐせる。
近くに窓がない場合、数メートル先の物を見るのでも効果はあるという。

目の周りを軽く指で押してマッサージするのもいい。
ただし眼球部分には触れないようにする。
蒸しタオルで温めるのも効果的。

パソコンの作業環境も整える必要がある。
厚生労働省ガイドラインでは、画面は目から40センチ以上離し、上端が目の高さと同じかやや低くなるようにする。
1時間続けたら10~15分の休憩をとる。
そばに加湿器を置くなどして乾燥も防ぎたい。

パソコンやスマホのLED画面やLED照明は、ブルーライトを比較的多く含む。
紫外線に近く可視光線の中では最も強いエネルギーを持つ光で、これが健康に影響を及ぼすことが最近明らかになってきた。

ブルーライトは散乱しやすいため、ピントを合わせようとして目の疲れを招きがちとなる。

体内時計に影響することも分かってきた。
朝や昼は、太陽光に含まれるブルーライトが体内時計を正常に保つ働きをしてくれるが、夜間にパソコンなどの画面から目に入れると体内時計が狂い、睡眠障害や肥満、高血圧などを招く恐れがある。
少なくとも就寝2時間前はパソコンやスマホを使わないようにしたい。
特に子どもは影響が大きく気をつけるべきだ。
ブルーライトを低減する眼鏡を使うことや、寝室の照明はLEDを避けることも対策の一つという。



<1日6時間以上> 
厚生労働省の2008年の調査では、パソコンなどのVDT(画像表示端末)を使う労働者の約7割が身体的な疲労や症状を感じており、その9割が「目の疲れ・痛み」があると答えた。
1日あたりの平均作業時間は「6時間以上」と答えた人が25%で最多だった。

<子どもの視力は> 
子どもの視力は年々低下している。
2013年度の学校保健統計調査によると、裸眼視力1.0未満の子の割合は、高校で65.8%、中学校で52.8%、小学校で30.5%だった。
30年前と比べると小中高とも約10~20ポイント増えた。
文部科学省は「明確な原因は分からないが、テレビやパソコン、ゲーム、スマホの影響も考えられる」と話している。

<目のためのケア> 
目に優しいグッズが人気だ。
花王の「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」シリーズは、目元にはって約40度の蒸気で約10分間温める。
2007年から累計2億枚を売った。
眼鏡ブランド「JINS」のジェイアイエヌブルーライトをカットする眼鏡を11年から販売し、累計350万本を突破したという。

       
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出典 朝日新聞・朝刊 2014.6.23( 一部改変 )
版権 朝日新聞社


参考
働き盛りに多いドライアイ
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/folder/294864.html