「デジタルライフ疲労」 しっかり休養+楽しみ

「デジタルライフ疲労」を防ぐ しっかり休養+楽しみ

簡単な料理・ウクレレ・ヨガ・・・「手軽」「いくつも」カギ
ジネスパーソンにとって、今やパソコンやスマホは欠かせない存在。
だが仕事だからと常にデジタル機器を離さない生活を続けていると、気づかぬうちに心身にストレスがかかり体調不良などを引き起こしかねない。
疲労をためないために、原因と対策を紹介する。
「最近、寝ても疲れが取れた気がしない」。
都内でウェブ制作会社に勤務するA子さん(28)は話す。
原因として思い当たるのは、寝る直前までスマホをいじっていることだ。
 
国内のスマホ普及率は2016年時点で7割を超えている。
そうしたなかで職種を問わず多くの人が疲労を感じてい」。
 
20~50代の男女2万人を対象に8月に実施された「デジタルライフ疲労」の実態調査によると、約90%が「平日に疲労を感じる」と回答。
13年前に実施した類似調査と比べ30ポイントも増加した。
 
また6人に1人はデジタル機器を1日に8時間以上使用している。
4時間未満の人に比べ、目の疲れなどの身体的疲労も「不安感がある」などの精神的疲労も自覚している割合が高い。
 
デジタル機器を日常的に使う現代で、多くの人が身体と精神の複合的な疲労、いわばデジタルライフ疲労を感じている。
 
では、なぜそのような疲労が生じるのか。
 
デジタル機器は普及のしかたが類を見ないくらい急速だった。
また、テレビやラジオのようにつけっぱなしにできないのも特徴だ。
情報を得てビジネスにもコミュニケーションにも生かすために、常に注意を向けて一生懸命に取り扱うことを強いる特異な機器という。
身体を動かさずに長時間使うことも多い。
まず目が疲れ、それが入り口となって別の疲れを呼び込む。
 
また、パソコンやスマホの画面から発生するブルーライトは自律神経に影響するとされる。
睡眠・覚醒リズムを動かし、一日のリズムを乱す。

人にとって異質なモノが急激に、娯楽ではなくビジネスと結びついて生活に密着したことで、身体だけでなく精神も含む複合的な疲れが生じるようになった。
 
対策としては、
 (1) Rest(休息)、
 (2) Relax(くつろぎ)、
 (3) Recreation(楽しみ)
の「3つのR」が必要だ。
 
特に重要なのは (3) だ。
休んでくつろぐだけでは疲れは飛ばない。
仕事と睡眠の間に楽しむ時間を持ち、仕事のことを一瞬忘れてリセットする。
こうして疲れを翌日にひきずらないことが大事だ。
 
仕事が絡まない友人と遊んだり食事をしたりするのはお勧めだが、毎日できるものではない。
そこで、簡単な料理をする、ウクレレを弾く、ヨガをするなど、ちょっとした一人の楽しみを複数持っておく。
一つだと凝りすぎてしまい「今日はうまくいかなかった」など新たなストレスが生じかねない。
無理なく続けるために、手ごろな費用で実践できることも大切だ。
 
疲れを軽減する商品を使うのも一手。
ウェブメディア評論家の落合正和さんは仕事柄、スマホやパソコンの画面を見る時間が長い。
「少しでも効果があればとブルーライトを軽減するメガネを愛用している」と話す。
 
効果が実証されているサプリを取るのも一案だ。
例えば眼精疲労回復などの効果があるとされるアスタキサンチン
この成分を配合したサプリが、9月に日本で初めて身体と精神の複合的な疲労を軽減する機能性表示食品として発売されている。
 
常にスマホを見てしまう背景には「大事なメールが届いているかもしれない」との不安もあるだろう。
そもそも、本当に緊急の用件はメールで連絡しないのが原則。
見ない時間帯をしっかり確保することも大切だ。

参考・引用
日経新聞・夕刊 2017.10.30