へッドホンで音楽 使い方注意

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大音量 難聴の原因に

耳を休ませる時間作りが大事
若い人を中心にへッドホンをして電車の車内や街中で音楽を聴き続ける光景を目にする
機会が増えた。
周囲が騒々しいとつい音量を上げ過ぎてしまうようだが、年齢に関係なく難聴を招く
ことにもなりかねないから要注意だ。

ヘッドホン難聴は、工場など大音響に接する場所で仕事をする人がかかりやすい
「騒音性難聴」の一種。
自覚症状のないまま聴力が次第に落ちる慢性タイプと、ある曰突然耳が聞こえなくなる
突発性タイプとがある。
耳がつまる感じや耳鳴りなどを伴うケースも見られる。
 
慶応大学病院の小川郁教授は「ヘッドホン難聴の増加を示す明確なデータはない。
ただ、難聴で来院する人で過度のヘッドホン使用が原因と疑われる人は多い」と話す。
 

高音域から症状

耳の内耳にある「蝸牛(かぎゅう)」と呼ぶ、かたつむりのような形をした感覚器官が
障害を受けて、ヘッドホン難聴は起きる。
蝸牛の内側には、音の振動を感知して聴覚神経に伝える有毛細胞が並ぶ。
大音響にさらされ続けると、有毛細胞が一時的にショック状態になったり、ひどいとき
には有毛細胞の毛が傷ついたり折れたりする。
 
有毛細胞は高音域ほど傷みやすい傾向がある。
このため、難聴の症状は

最初、周波数4000ヘルツ程度の高音域で進む。
普段会話で耳にする音よりも高い音域のため、聞こ
えにくさを自覚することは少ないが、何もせずに放っておくと低音域まで影響が広がる。
 
難聴は一般的にステロイド剤の点滴などで治療するが、有毛細胞自体が損傷すると聴力を
完全に取り戻すのは難しい。
予防が最善策だ。
ヘッドホンやイヤホンの長時間使用を避けて耳を休ませる時間をつくることと、適度な
音量を保つことが大切。
小川教授は「最近の携帯音楽プレーヤーは何時間
でも繰り返し再生できるので、一定の時間たったら一休みするなど自制が必要だ」
と指摘する。
電車内などで、周りの音が気になるからと音量を上げ過ぎることは控えたい。
東京医療センターの加我君孝・感覚器センター長は「静かな所で聞きやすい程度の音で
聴けば、ヘッドホン難聴の心配は少ない。(周囲の雑音を消す)ノイズキャンセル機能
活用するのも一つの手だ」と話す。

骨伝導」で防止

最近は、難聴の防止・低減効果を掲げたヘッドホンも見かけるようになった。
代表的なのが特殊な振動素子を耳のそばに当て、頭の骨を伝わる振動で音を伝える
骨伝導」の原理を利用したもの。
音を直接感覚細胞に伝えるため、鼓膜を劣化させるなどの悪影響が少ないとされている。
 
骨伝導ヘッドホンは、高齢者など聴力が低下した人でも音が聞き取りやすい。
耳を覆わないため周囲の音に気を配りやすく、交通事故の防止などにも効果があると
期待される。
 
ただ『音が伝わる経路によらず、「感覚細胞に大きなエネルギーが入ると聴力低下の
可能性は残る」(加我センター長)。
大音量での使用は慎重にしたいところだ。
 
難聴の症状は個人差が非常に大きい。
飲酒や睡眠不足なども影響するといわれる。
ヘッドホンをよく使う人は、音がこもって聞こえるなどの症状に気付いたら一度耳鼻科
で診てもらうとよいだろう。

出典 日経新聞・夕刊 2008.5.27
版権 日経新聞


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南田昌康 「壺と石榴」 P12号
http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f68237257


<参考サイト>
難聴 ヘッドフォン難聴
http://homepage1.nifty.com/jibiaka50/nantyouheddohonegaisyou.htm
オープンエア型のヘッドフォンではあらかじめ静かな部屋でヘッドフォンを介して通
常の会話ができるレベルの音圧であることを確認して、そのレベルで使用すると安全
なレベルの指標となります。
またクローズド型なら片方のヘッドフォンを外し、そちら側から聴こえてくる通常話
声と音の大きさを比較するというやり方が提唱されています。

ヘッドホン難聴にご注意
http://health.goo.ne.jp/column/healthy/h003/0084.html
耳の奥にあって音を聞くのに重要な役割をする内耳は、周波数の高い音によってダメージ
を受けやすいという特徴があります。
音が空気中を伝わってくる間に高周波帯は弱まりますが、ヘッドホンで聞く場合はあまり
弱まることなく伝わってきます。
そのため、スピーカーを通して聴くよりも、ヘッドホンの音を聴いた場合のほうがより
ダメージを受けやすくなります。
耳の丈夫さには個人差があります。同じように大きな音で音楽を聴き続けても、ダメージ
を受ける程度には差があります。
花火大会やライブの後などに、音がわんわん反響するように聞こえた経験があるという
人は、耳が弱いと考えられます。

<番外編>
きょうの
「井蛙開業録/診療録(2)
http://wellfrog2.exblog.jp/8190561/」

「ITで開業医が減る」という新聞の切り抜きを載せました。
見ていただけると有り難いです。


読んでいただいて有難うございます。
コメントお待ちしています。

医療専門のブログは別にあります。
井蛙内科開業医/診療録(2)
(内科専門医向けのブログです。)
http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科開業医/診療録 
http://wellfrog.exblog.jp/
(~H20.5.21)
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)
があります。