脳卒中半減へ一日一善(膳)

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西村 計雄 『雨 ノルマンデ』  油彩 キャンヴァス 変形12号
予防栄養学研究者 家森幸男先生の新聞へ掲載されたリレーエッセイからです。

週に何回もお世話になる新幹線では弁当を食べる機会も多い。
地方色豊かな駅弁は旅の楽しみの一つだが、かつては保存のために塩分が濃かった。
今その駅弁がヘルシ-ランチに進化しつつある。

京都駅で好評のおばんざい風の弁当は、そもそも私の提案で京都府が「健康ばんざい
弁当」を認定したのが始まり。
塩分を減らし、出汁(だし)で味付けをした京野菜、大豆、魚を多く入れ、揚げ物を
少なくする。
そんなおばんざいを取り入れることで健康弁当ができあがった。

以前、ある企業の社長はじめ70余名の”メタボ”リスクのある方々に、世界調査で
わかった健康長寿によい食材を使用した弁当を食べてもらったことがある。
毎日、身体に善い”一膳”で三グラムの減塩に成功。
何と4週間で肥満度や血圧が下がり、善玉コレステロールが増えた。
動脈硬化になり易い男性も女性並みの血液データになった。
これは男女の半均寿命の差、7年の延伸に相当すると期待された。

今度は外食だ。
このたび日本最大のチェーンレストランが私どもの提案したメニューで調査に協力
して下さった。
すると、昼ごとに一食、バランス食を摂るだけで、2週間後には尿の中の塩分が摂取量
換算で1日当たり3グラムも減少した。
世界調査からは、1日6グラムまで減らせば脳卒中死亡はゼロ近くに減ると予測される。

1日1食でも善い食事を続ければ、脳卒中を半減できる可能性がある。
全国で脳卒中の治療費は年間2兆円。
この半分をなくせば、長寿医療制度の保険料をかなり下げることができそうだ。
外食産業がこぞって健康産業になればと、期待は膨らむ。

出典 日経新聞・夕刊 2008.6.14
版権 日経新聞

<参考サイト>
京都のおばんざいレシピ
http://www.kyo-kurashi.com/obanzai/

惣菜
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%AF%E9%A3%9F
京都のおばんざいというのは、京言葉で「日常のおかず」のこと。海に遠い盆地の
京都では、寺も多く、漬物、乾物、精進料理を取り入れたおかずが発展し、よそと
は違ったものがある。

京のおばんざい
http://www.kyoblog.net/obanzai/

<自遊時間>
昨夜、「NHKコンサート」で小高氏指揮、N響ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番」
をやっていました。
ピアノはゲルバーでたしか2000年の演奏でした。
ご覧になられた方も多いのではないでしょうか。
指揮者のクラウディオ・アバードのデビュー盤(ベートーヴェン交響曲第7番)もそう
ですが、このゲルバーもその昔のデビュー当時、ブラームスのピアノ協奏曲のレコードを
何回も聴いたことがあるので思い入れがあります。
つい最後まで聴いてしまいました。
解説の池辺晋一郎氏も演奏の後、べた褒めではなかったようです。

以前にも書いたことがあるかと思いますが、演奏のいい悪いは素人の私にはよくわかり
ません。

ミスタッチがあっても芸術性が高ければそれはそれでよいといわれます。
その「芸術性」や日本人の大好きな「精神性」が正直いってよくわからないのです。
いつもそうですが、ピアノ演奏の場合には、いつミスタッチがあるのか(技術性)を
はらはらしながら聴くのが醍醐味といったところになってしまい勝ちです。

私の崇拝する吉田秀和氏がホロビッツが来日した時、演奏後の音楽評論でボロビッツ
だったと言い切った話は有名です。

素人は「目利き」の本物の評論家を見つけて、その評論を信じることしかできないの
です。

医学界もそうですが、辛口コメント一つできない学者は私は「御用学者」といって
います。

<追加>
人の呼称は難しいですね。
誰に「氏」をつけるか、つけないか・・・。

<参考サイト>
ブルーノ・レオナルド・ゲルバー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%
AC%E3%82%AA%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC
ヴィンチェンツォ・スカラムッツァに師事しマルタ・アルゲリッチとダニエル・バレン
ボイムと兄弟弟子。
ベートーヴェンブラームスを偏愛しており、とりわけ前者のピアノ・ソナタの演奏では
評価が高い。

http://www.kayokoono.com/newleonardogelber.html
かのフランスの高名なピアニスト、マルグリット・ロンのあつい薫陶を受け、その豊かな
造形力とあふれんばかりの詩情性は、今世紀ピアノ界最大の発見とまで感嘆せしめた天才
ピアニスト、ブルーノ レオナルド ゲルバー。
1968年に初来日した折、「非凡の才能と可能性」「天分豊か、巨匠の域」「若き天才ゲルバー
への絶賛の嵐」
「独創の発芽聴かせる」「引き込まれる美しさ」とまでの高い評価を受け、正統派の大器
ゲルバーの名演は人々の心に新たな感動をもたらしました。
パリ、ロンドン、ベルリン、などのコンサートホール、ザルツブルグ音楽祭をはじめと
する一流フェステイバルの常連として、ヨーロッパおよび世界各国で確固たる地位を築いて
いるゲルバーは音楽に対するゆるぎない情熱と精神的な充実により、重厚で格調高い演奏を
聴かせる正統派ピアニストとして、我国にも数多くのファンをもっています。


ピアノ協奏曲第2番、他 ゲルバー(p)ケンペ&RPO
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1483939


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