水の飲み方

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いよいよ夏の到来です。
熱中症も梅雨時から起こるようになります。
日差しが強くなくても湿気の多い時は要注意です。

きょうは水分補給の話題をとりあげてみました。

水といえば、当院では最近ウオーターサーバーを導入しました。
納入業者がこんなことを言っていました。

業者「この水でお米をとぐとごはんがとてもおいしく炊けます」
私「えっ。炊くときに使うんじゃないの」
業者「お米は最初にといだ時に7割が最初の水を吸収します。だから最初の
水が大切です。安い米も魚沼産コシヒカリに変身します」
私「それなら、炊くときにもその水を使ったら」
業者(真顔で)「ほっぺたが落ちます」

減った分をこまめに補給

炎天下の外回り。
1杯の水に生き返った心地がします。
のどが渇くのは体が軽い脱水症状を起こしているからです。
補給しないと体がもちません。
がぶ飲みはいけません。
誰です?
ビールで、という人は。
ビールは水分補給にならず、逆効果です。

   ■ □ ■

のどが渇けば水を飲む……当たり前のように思えるが、いつ、どれくらいの量を
飲めば効果的なのか、意外と難しい。
そういえば、運動中は水を飲んではいけない、と言われていた時代もあった。

「実は、運動をする前には水を飲んでおいた方がいいんです」

こう話すのは、横浜市スポーツ医科学センターの長嶋淳三・内科診療科長だ。

水分の補給は出た分を補充するのが基本。
「運動をすると体重が減ります。その減少分のほとんどが汗です。運動の途中で
体重を量り、減った分をとるのがベストです」。
ただこれは現実的ではないので、運動前にも飲んでおくのがいいそうだ。

1~3時間程度のマラソンのような場合は運動前に250~500ミリリットル、
運動中も1時間ごとに500~1000ミリリットル(1リットル)が目安だという。

「温度や湿度にもよりますが、一般に運動前には500ミリリットル程度を飲んで
おくといいでしょう」

汗には1リットルあたり2~3グラム余りの塩分が含まれる。
たくさん汗をかいたのに水ばかりを飲んでいると塩分濃度が下がって低ナトリウム
血症を招きかねない。
塩分が含まれたスポーツ飲料がいいそうだ。

ただし「肥満の人が健康のために運動する時は飲みすぎに注意を」と長嶋さん。
糖分入りのスポーツ飲料もあり、体の脂肪分を糖分に変えて「燃やす」ための運動
なのに糖分をとりすぎては元も子もない。
「高血圧の場合も塩分を考えて飲んで下さい」

   ■ □ ■

のどが渇くのは、運動時に限ったことではない。
「私たちはふつう1日に体重1キロあたり15ミリリットルほどの汗をかくと
言われます」と、日本医大の飯野靖彦教授(腎臓内科)は話す。
ほかに水分は尿や呼吸からも失われる。

「でも人は水を体にためておけないので、少しずつ補給しないといけいないんです」

人の体の60%は少し塩分が含まれた水分だ。
水分は体を構成するだけではない。
命の維持に実に大切な働きをしている。
栄養分の運搬や吸収、不要になったものの排泄、体温の調節……。

だから水分量や塩分濃度を一定に保つよう体は様々な機能を備えている。
のどが渇くのも、水分のバランスが崩れてきたのを脳が感じるからだ。
塩分濃度が変わると尿の量を加減して調節することもある。

「ミネラル分を含め、排出された分を補えば問題はありません」と飯野さん。
目安の一つがやはり体重だ。
その変化にはふだんから気をつけなければいけない。

特に注意が必要なのは、乳幼児やお年寄りだ。
乳幼児は水分量が80%と高く、その変化の影響を受けやすい。
お年寄りは汗をかきにくく、脱水症状が外に出にくい。

飯野さんは「病気によっては脱水を感じにくい場合もあり、周囲が気を配ら
なければいけません」と話す。 


出典 朝日新聞・朝刊 2008.6.22
版権 朝日新聞社

<参考サイト>
橋本玲子先生のスポーツ栄養講座
http://www.nisshin-oillio.com/be/hearty_03.html
スポーツをする際に忘れてはならないのが、水分補給です。水分は栄養や酸素
を全身に運搬し、発汗による体温調節をするなど、私たちが安全にスポーツを
楽しむために欠かすことができません。
ちなみに、体重の3%に相当する水分が汗などによって失われると競技力が低下し、
体重の10%まで脱水が進むと、幻覚症状などが起こり、命の危険にさらされる
ことになります。
練習の2時間前に、コップ2~3杯(400~600ml)程度の水、またはスポーツ
ドリンクを飲み、練習中はのどが渇く前に、こまめに水分を補給するよう心
がけましょう。夏の炎天下で大量の汗をかいたり、長時間にわたって激しい
運動をする場合は、糖分や電解質(ナトリウム、カリウムマグネシウム)が
同時にとれるスポーツドリンクなどがおすすめです。また、5~15℃に冷やすと
飲みやすく、体温上昇の抑制にも効果が得られます。
一汗かいた後に、ビールを水代わりに飲む人を見かけますが、アルコールには
利尿作用があり、水分補給にはなりませんのでご用心!
http://www.nisshin-oillio.com/be/hearty_05.html
水分に関しては試合の1~2時間前に250~500ml程度の水かスポーツ飲料を補給し、
試合中もこまめに補給するのが理想です。発汗量の多い夏場や、長時間にわたって
試合が行われる場合は、水分とともに塩分や炭水化物などのエネルギー源も補給
することが大切です。
試合後の栄養補給の目的は、蓄積した疲労をいち早く回復させることにあります。
そのため、試合後はなるべく早いタイミングで炭水化物と水分を補給し、さらに、
バランスのとれた食事で心身の疲れを労わることが大切です。
例えば、ロッカールームで果汁100%のオレンジジュースを飲んだり、バナナと牛乳
を軽く補給すればグリコーゲンの回復も効率よく行われます。
また、試合後は筋肉の修復に欠かせないたんぱく質や、各種ビタミン、ミネラル
なども積極的に摂る必要がありますので、ご飯などの主食と併せて、おかずや野菜、
果物なども意識して食べるようにしましょう。
トップアスリートと言われる人達の多くは、試合後30分以内に炭水化物の入った
飲み物を飲んだり、移動中の乗り物の中でおにぎりやゼリー飲料などを口にして、
グリコーゲンの早期回復に役立てています。