腹巻きで夏の冷え対策

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滝沢直次 桃とランプ F8  
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診察をしていて以前は腹巻きをしているお子さんが時々みえました。
最近はあまり見かけなくなっています。
寅さんやカトチャンの腹巻き姿はあまりにも有名ですが、医学的にどうなのかと
いった検証は意外となされていないのが現状のようです。
きょうは、「女性と腹巻き」といった意外性のある記事があったのでとりあげて
みました。
このパターン(女性と腹巻き)も診察室では余りみかけませんが・・・。

血流促し、免疫力も向上

夏本番の訪れを前に、戸外の暑さは増すばかり。
どうしても冷房の利いた室内にこもりがちになるが、冷やし過ぎは体の毒でもある。
そうした中、冷房の涼しさと保温をバランスさせる衣類として「腹巻き」が見直され、
女性向けにも様々なデザインの製品が登場している。
時と場合に応じてこれらを使い分ければ、冷房病と無縁の夏を過ごせるだろう。

東京都在住の会社員、渡辺美香子さん(仮名、35)は冷え性に悩んできた。
夏冬を問わず足先や指先が冷え、子を産んでからは特にひどくなった気がしていた。
いろいろと対策を取ったが、効果が大きかったのが腹巻きだという。「靴下は冬場
だけだが、腹巻きは夏でも欠かせなくなった」。
便秘気味でもあったが「朝のお通じも改善されたようだ」と話す。

女性の48%が寒け
温暖化対策で、オフィスの冷房温度を以前より高く設定する会社が目立つが、席に
座っての仕事が続くと寒気けを感じることはしばしばだ。
東京ガス都市生活研究所の調査(2000年)によると夏でも冷えを感じる女性は
約48%いて、男性の約12%の4倍に達する。
年代別では20代で約55%、30代で約61%にものぼっていた。
 
冷えに詳しいイシハラクリニック(東京・江東)の石原結實院長は「冷えは万人の
健康にとって大敵。体温が1度下がると免疫力が30%低下するといわれている。
女性の生理痛、むくみなどの原因になる」と説明する。
そして「体の中心である腹を冷やさないことが体全体の冷えを防ぐことになる。
そのために腹巻きを使用するとよい」アドバイスする。

下半身の冷え防止のために「靴下、スパッツ、ふくらはぎを覆うサポーターなどを
使ってほしい」と話す。

腹巻きは男性用のイメージが強いが、女性向けデザンの製品も目立ち、レースの
フリルがついたおしゃれなものもある。
メーカーによっては今流に「ボディーウオーマー」と呼んでいるところもある。

ライン見えぬよう

夏向け商品は、体にぴったりの服を着たときでも、腹巻きのラインが出ないように
薄い生地のものが多い。
素材も綿だけでなく、抗菌、消臭効果を備えた繊維のほかに絹製品もある。

色も白やベージュ、黒など通常の下着に使われているもの以外に、ボーダーカラー
やドット模様、プリント柄など工夫されている
 
サイズも様々で、縦に長い製品もある。
売り場で体に当ててみて、自分に合ったものを探すといい。変わったところでは、
ワコールのブランドの一つウンナナクールでは長さ10センチ単位で切り売りを
している。
そのほか、丈の短いシャツで背中が出るようなパンツを着用したときのために、
背中側の生地を長めにしている製品もある。

女性用下着の製造販売を手掛けるピーチ・ジョン(東京・渋谷)では、下着と
一体型の「HARAマキサニタリー」を2年前から販売している。
「生理痛をやわらげるには冷やさず、温めることが大切。一体型にすることで背中
やおなかが出ることがない」(プレス担当の熊谷誠子さん)

生理痛を解消

東京女子医科大学付属青山自然医療研究所クリニック(東京・港)で女性患者を診察
することが多い川嶋朗所長は「冷えは万病のもと」と注意を促していた。

川嶋所長は「体温が適切に保たれていないと、血流の滞りがおきて、腸など内臓の働き
も悪くなる。
その結果、生理痛以外に皮膚のかゆみやかぶれ、目まいや頭痛が起きる
原因にもなる。
更年期障害にも冷えが大いに関連していると考えられている」と指摘する。

一方、体に合わない矯正下着など過度に締め付ける下着は控えるべきだと忠告する。
血管が圧迫され血行が悪くなり、体調不良の原因となるからだ。
 
生理通対策を兼ねた商品としては、カイロが入るポケットがついた製品がワコールや
グンゼから出ている。
ただしカイロは「同じ場所に当て続けると低温やけどの可能性がある (ワコール担当者)
ので注意も必要。
状況に応じていくつかの種類の腹巻きを選んで使うことも夏乗り切りのヒントなのだろう。

腰の冷え防止に活用も

防寒着のイメージが強い腹巻きだが、使用者は実際にどのように使っているのだろう。 
 
グンゼが2006年に女性ユーザーを対象に調べたところ、意外にも秋から冬の寒い時期
だけに腹巻きを使っている人は半分以下だった。
一方、春から夏だけ使う人の理由は「薄着を保ったまま寒さ対策をしたい」といったもの。
また、生理痛対策として「あらかじめ着用しておくことで軽減される気がする」と精神的
な側面を訴える人もいたという。

「腹巻き」の呼び名からおなかを守るイメージが強いが、腰を温める
効果を期待している人も少なからずいた。
座っているときなら、ひざ掛けなどでひざ上の太ももや下腹部を保護できるが、背中側の
腰は覆いにくい。
こんなケースにも腹巻きが威力を発揮した。
腹巻きのポケットにカイロを入れて温めることもできるが「割合はおなか側を温めている
人が8割、背中側が2割程度」(グンゼ担当者)という。

出典 日経新聞・朝刊 2008.7.12
版権 日経新聞


<診察椅子>
ある日の診察室の風景。
80少し前の女性Kさんが健診のため診察室に入ってみえました。
風邪などで時々受診される方で山登りも時々してみえます。

ふと手をみると随分たくましい手をしてみえました。
私「しっかりした手をしてみえますね」
Kさん「先生、これは戦時中、女学校から動員されて風船爆弾をつくらされていたため
なんですよ」
私「へー。竹槍とか風船爆弾は戦後、滑稽なものとしてよく取り上げられていましたよね。
あの爆弾ですか」
Kさん「そうなんですよ。コンニャクのりでくっつけるんですよ。この前、クイズ番組で
やっていて、答えの『コンニャクのり』を当てて主人にびっくりされたんですよ」
私「大変な時代に青春時代を過ごされましたね」

まさに歴史の生き証人の方でした。
いろいろ風船爆弾にまつわる話をされたので、こちらも診察机のパソコンから関連サイト
をさがして印刷して渡してあげました。
風船爆弾
http://ja.wikipedia.org/wiki/風船爆弾
アメリカ本土空襲
http://ja.wikipedia.org/wiki/アメリカ本土空襲
特集展示 「風船爆弾と勤労動員展」
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/about/josetsu/tokushu/2007/fusen/fusen.html
風船爆弾
http://www.town.ichinomiya.chiba.jp/rekishi/furusato0306.htm
風船爆弾づくりにこんにゃく糊
http://www.konnyaku.com/info_konjac/kon13.html
こんにゃくが後にも先にも、ただ一度兵器になったことがあります。 

第二次大戦中、直径10メートル、全長22メートルもある大きな風船爆弾を1万個
作るために、日本中のこんにゃく玉 (芋)が集められました。

読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。

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