VDT症候群

適した環境整え、時に休憩を

50センチ。
これが目とパソコンなどの画面との距離の目安だそう
だ。
でも、画面に顔をくっつけるようにしている人もよく見かける。
モバイル機器とのそんな付き合い方が、目の疲れや精神的ストレスを招き、仕事の効率が
悪くなるという。
 
こうしたVDT症候群に詳しい名古屋大の宮尾克教授は、産業医向けの講習会などに出
かける際、焦点距離の異なる老眼鏡を6本ほど持参する。
 
「画面が見づらいとか、 肩がこるという中高年の中には、ふだんの眼鏡のままパソコン
を使う人もいます。眼鏡をかけ替えると見え方が変わります」
 
パソコンなどの操作では近くを見る視力(近見視力)が大切だ。
一般の視力検査の表を10分の1にし、50センチの距離に置くなどの方法で測る。
眼鏡やコンタクトレンズで矯正している場合を含めて、一方の目で0.5以上あれば適正
とされる。
イメージ 1
    
   ■ ■ ■
 
ところが、年とともに近くのものが見えにくくなる。
手元の文字を読むのに合わせて作った遠近両用眼鏡のような場合は画面を見るのには向
かない。
 
「近見視力と、文字の大きさ(3ミリ以上)が、VDT作業の重要なポイントです」。
自身がかかわった厚生労働省の新VDT作業ガイドライン(2002年)でも、これを
強調した。

眼鏡が合わないのに、それが分からず、がまんして操作を続けていると、頭痛、肩こり、
腰痛、やがて精神面に影響が表れる。
見づらい画面を見ようと目をこらすと瞬きが減って、ドライアイにもなりやすい。
 
かつて、車の運転免許がないと外回りができなかった。
「今はパソコンなどがそれ以上の存在です。その人の労働生命を左右します」と宮尾さん
は話す。
 
デスクトップが主だったころは事務所の環境を整えておけばよかった。
それが今、かばんにパソコン、ポケットに携帯。
自宅はもちろん、移動中の新幹線車内も仕事場になった。
日本大の堀江良典教授(人間エ学)は「モバイル機器が増え、ユーザー自身が使う環境を
整える必要
があります」と指摘する。
    
   ■ ■ ■
 
こうした作業による負担は大きく三つある。
目、筋骨格系、そして精神的ストレス。
特に最近は明るい高輝度の画面が増え、目の負担が大きくなった。
 
「背景と文字のコントラストが強いと文字がくっきりして読みやすい。でも、それと疲れ
は別です」と堀江さん。
 
20人の学生で調べたところ、画面のコントラストがはっきりしていると目が疲れやすく
作業効率が落ちた。
別の調査では、午後になるとコントラストを強める傾向があったという。
 
「画面をいつもきれいに。読みづらいと思ったら、手あかやほこりで画面が汚れていた、
ということも珍しくありません」
 
通信手段の発達とモバイル機器の進展で実に便利になった。
堀江さんは「でもその便利さに囲われてしまった。
時に画面から離れて休憩しては
いかがですか」と話す。

出典 朝日新聞・夕刊 2008.6.9
版権 朝日新聞社

<自遊時間>
■昨日、「歴史」に関する格言を紹介しました。
 きょうは、その続きを少し。
 あらゆる歴史は、それが当代の証拠によって支持されない限りロマンスである。
    サミュエル・ジョンソン 「著作集」
 あらゆる歴史は、天国と地獄の両極端の問にある世界の振動の記録にすぎない。
 一期間というのは、その振子のひと振りにすぎないのに、各時代の人々は、世界がつねに
 動いているので進歩しているのだと思っている。
    バーナード・ショー 「人と超人-三幕」
 この世界における大事件の歴史は犯罪史のほかのなにものでもない。
    ヴォルテール 「風俗について」
 すべての歴史は嘘である!
    ウォルポール (演説)
 どの時代の歴史を扱う場合でも、感情をまじえず、偏見を持たないことは、歴史家にとって
 つねに不可能なことだと思う。
    トインビー 「同時代史の研究」
 まったく歴史とは、そのほとんどが人類の犯罪・愚行・不運の登記簿にほかならない。
    ギボン 「ローマ帝国衰亡史」
 ものの始めを採すことで、人間は蟹になる。歴史家は後ろ向きにものをみる。
 ついには後ろ向きに信ずるようになる。
    ニーチェ 「偶像の薄明」
 われわれは、われわれの歴史のなかにわれわれの未来の秘密が横たはつてゐるといふことを
 本能的に知る。
    岡倉天心 「東洋の理想」
 クレオパトラの鼻、それがもう少し低かったら、大地の全表面は変わっていたであろう。
    パスカル 「パンセ」
 暗殺者は世界の歴史を変えなかった。
    エマーソン 「随想録」
 嘘を含まないあらゆる歴史書はすこぶる退屈である。
    プラソス 「シルヴェストル・ボナールの犯罪」
 虚像で構成されて世にあたえられている歴史に対して、実像を組み立てるのが歴史家である。
    和歌森太郎 「歴史の虚像と実像」
 今後、存在するあらゆる社会の歴史は階級闘争の歴史である。
    マルクスエンゲルス共産党宣言
 今日の偉人はすべて自分の意見を持っているが、その伝記を書くのは、いつもユダである。
    ワイルド 「芸術家としての批評家」
 今日の現実に立つて、その現実がいかにして作られて来たのかのみちすじを考へるものである。
    津田左右吉 「断片」
 三千年の歴史から学ぶことを知らぬ者は、知ることもなく、闇の中にいよ、その日その日を
 生きるとも。
    ゲーテ 「西東詩編-不満の書」
 史は三長あり。
    欧陽脩 「唐書」
 思想の歴史は過誤の歴史である。しかし、あらゆる過誤を通じて、それはまた、行為が徐々に
 純化される歴史でもある。
    ホワイトヘッド 「アイデアの冒険」
 人間がいかなる態度をとるべきかについて、過去のものは、人間に教える力がない。
 これは、人間がみずから回想する過去のものの光の中で目覚め、みずから決断せねばならない
 ことを意味する。
    ヤスペルス 「現代の精神的状態」
 人間の歴史は虐げられた者の勝利を忍耐強く待っている。
    タゴール 「迷える鳥」
      出典 http://www.oyobi.com/maxim01/12_04.html

■いよいよ、北京オリンピックが始まりました。
 たしかにすごい開幕式でした。
 日本選手団のダサいユニフォームもさることながら、場内の冷ややかな態度を看過するわけ
 にはいきません。
 中国国民の日本に対する感情をじかにみることが出来ました。
 これはまさに貴重な体験です。
 わざわざ出かけて行った福田総理がピエロに見えたのは私だけでしょうか。
 入場式の会場の反応を見るのは実に興味深く、うとうとしながら、花火の音で起こされながら
 も、つい最後まで観てしまいました。

ラジオ体操第1など作曲、服部正さんが100歳で死去
NHKラジオ体操第1の音楽などを手がけた作曲家の服部正(はっとりただし)さんが2日、老衰
で死去した。100歳だった。
東京都出身。慶応大学在学中にマンドリンクラブに在籍し、指揮者を務める。卒業後、作曲家と
して活動を始め、黒沢明監督の映画「わが青春に悔なし」「虎の尾を踏む男達」の音楽や、
NHKラジオ体操第1などを作曲した。弟子に小林亜星さんらがいる。
国立音楽大学の名誉教授も務めている。1978年に紫綬褒章、84年には勲四等旭日小綬章
を受けた。
(読売新聞2008.8.6)

こんな新聞記事を見た後、甲子園の野球をテレビで見ていたら、試合で勝った仙台育英高校
選手が校歌を歌っている場面がありました。
テロップに作曲・服部正と出ていました。

校歌を作詞作曲した人は学校が続く限り名前が語り継がれます。

幸いにも私の出た高校、大学は(校章も含めて)なかなか格好よくて気に入っています。
特に出身高校は「海ゆかば」の作曲で有名な信時潔氏です。
重厚な出だしは「海ゆかば」にそっくりです。
彼が作曲した他校の校歌も是非聞いてみたいと思っています(1000曲以上校歌を作曲して
いるとのことです)。


読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
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