乳製品で脳卒中予防

カルシウムを効率吸収

厚労省研究班が追跡調査
発症リスク3割減
乳製品をよく食べて力ルシウムを摂取すると、脳卒中になるリスクが最大で31%少なく
なる。

厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)は29日、
こんな疫学調査結果を発表した。
食生活で牛乳やチーズ、ヨーグルトなどを適度に採り入れるようにすると脳卒中の予防
効果が期待できるという。

研究班の磯博康・大阪大学教授は全国の40~59歳の男女約4万人について、アンケ
ートをもとに乳製品からのカルシウム摂取量を調べ、脳卒中の発症リスクとの関係を調
べた。
13年間の追跡期間中に、1321人が脳卒中になった。

乳製品からのカルシウム摂取量が多い順に5つにグループ分けすると、最も摂取量が多い
グループ(1日あたり120~130ミリグラム)は、最も少ないグループ(同。ほぼ
ゼロ)と比べて脳卒中にかかるリスクが31%低くなっていた。
カルシウムは高血圧や血液が固まるのを防ぐ作用があり、これが脳卒中を予防している
と考えられるという。

カルシウムは200cc入りの牛乳ビン一本だと約200ミリグラム、スライスチーズ
1枚やヨーグルト1パック(100グラム)には100ミリグラムほど含まれる。

カルシウムは野菜や豆類にも豊富に含まれている。
これらの食品から摂取したカルシウムと脳卒中リスクとの関係についても同様に調べた
が、予防効果は確認できなかっ
た。
乳製品は、ほかの食品と比べてカルシウムの血中への吸収効率が高いため、特に予防効果
が高くなるという。

乳製品を食べ過ぎるとコレステロール値が高くなり、心臓病のリスクが高くなってしまう
恐れもある。
ただ、今回の調査結果では、乳製品の摂取量の多いグループで心臓病が高くなる傾向は認
められなかった。
磯教授は「適度な摂取量なら心臓病のリスクが高まる心配はない。
もともとコレステロールが高い人などは低脂肪の製品を選んだ方がよい」と呼びかけている。
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出典 日経新聞・夕刊 2008.7.29
版権 日経新聞

<関連サイト>
脳卒中の予防法は?
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/nousottyu/prevention.html
カルシウム摂取と循環器疾患の関連について
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/75/calcium_circulatory.html

<自遊時間>
北京五輪も昨夜閉幕しました。
陸上100,200mを世界新記録で優勝したウサイン・ボルト(ジャマイカ、22)が主役
の感がありました。
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-33415620080823

ジャマイカといえば、ある程度の年配の方や音楽好きの方なら「さらばジャマイカ」という曲
を思い浮かべられるはずです。
わたしも一杯入ると、カーネギーホールでのハリー・べラフォンテのリサイタルのCDで、
この曲をよく聴きます。
すばらしい曲をすばらしい歌手で聴く。
至福のひとときです。
白人には出せない独特のあたたかい声が何よりの魅力です。




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