以前は「慢性」関節リウマチといわれていましたが、
日本リウマチ学会では，第46回日本リウマチ学会総会（2002年4月23日）において，
“慢性”関節リウマチから関節リウマチに変更しています。
（日本リウマチ学会http://www.ryumachi-jp.com/iyaku/yogo/ra.html）

早期の薬物服用で進行抑える

朝起きると指がこわばる。
体のあちこちの関節が腫れて、押すと痛い。
そんな症状があったら、「関節リウマチ」を疑った
方がいい。
症状が進むと、関節が変形して、日常の動作が不自由になったり、歩けなくなった
りする。
原因不明の難病だが、治療法の進歩で、進行を食い止めて症状を抑えることがで
きるようになってきた。
　　　　
　　　■　■　■

関節リウマチは膠原病と言われる自己免疫疾患のひとつだ。
本来、体の外から侵入するウイルスなどを攻撃する免疫が、何らかの原因で異常を
起こし、関節にある滑膜という部分を攻撃してしまう。
すると炎症を起こしたり、骨を破壊したりする細胞が活性化され、やがて関節の
軟骨や骨が破壊されてしまう。

何が発症のきっかけになるのかは、分かっておらず、根本的な治療法も見つかっ
ていない。
高齢者の病気というイメージがあるが、発症のピークは３０～５０歳代。
子どもでも発症する。
厚生労働省の調べでは、国内の患者は約６０万人。
男性と女性の割合は、１対４程度だと言われている。
　
聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科の尾崎承一医学部長は
「悪化を防ぐには、発症から遅くても６カ月、できれば３カ月以内に治療を始める
ことが大事です」と指摘する。
　
症状があったら、なるべく早くリウマチ科を掲げている診療所や整形外科などで
診察を受けよう。検査では、こわばりや腫れがどのくらい続いているかなどの自覚
症状のほか、炎症が何カ所で起きているか、程度はどうか、などを見る。
Ｘ線検査や血液検査も行う。
　
腫れている関節の数が少ないなど、確定診断ができないケースもある。
その場合、滑膜の炎症があると増える特殊な抗体を調べる「抗ＣＣＰ抗体検査」
がある。
この検査で数値が高いと、その時点で診断できなくても、将来、関節リウマチ
になる可能性が高い。
　　　　
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治療の中心は、抗リウマチ薬の服用だ。
　
東京女子医大・膠原病リウマチ痛風センターの山中寿所長は「以前は痛みや炎症を
抑える対症療法しかなかった。
しかし新しい薬が開発され、寛解（症状が落ち着いている状態）を目指すことが
可能になりました」と話す。
　
抗リウマチ薬は、免疫の働きを調整することで病気の進行を抑え、症状を改善する。
代表的な薬にはメトトレキサート（商品名リウマトレックス）がある。
薬を飲み始めて３カ月後に検査をして、効き目を見る。
病気の勢いが強い場合には、「生物学的製剤」と呼ばれる、より強い薬を使う場合
もある。
　
「いったん小康状態になっても、放っておくと少しずつ骨の破壊は進行する。薬で
十分に病気をコントロールすることが、長期的なＱＯＬ（生活の質）を高めます」。
ねばり強い治療が必要だ。　　　

出典　朝日新聞・夕刊　２００８.９.２２
版権　朝日新聞社

＜関連サイト＞
関節リウマチ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E7%AF%80%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%9E%E3%83%81
リウマチ情報センター | 関節リウマチとは
http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm400/rm400.html
慢性関節リウマチとは、こんな病気です。
http://www.sanpei.net/ranote1.html
ためしてガッテン：過去の放送：あなたを襲うリウマチ！患者100万人の真実
http://www3.nhk.or.jp/gatten/archive/2007q3/20070718.html
関節リウマチ　初期症状を見逃さないで！
http://health.goo.ne.jp/column/healthy/h003/0097.html
以前は関節破壊はゆっくり進むと考えられ、安静を保って様子を見ながら、症状が進むよう
であれば作用の弱い抗リウマチ薬から使い始め、少しずつ強い抗リウマチ薬へと段階を
上げていきました。
しかしその後の研究で、関節破壊は発症してから２年くらいのうちに進むことがわかって
きたため、この10年くらいの間に治療法は劇的といってもいいほどの変化を遂げました。
つまり、以前の段階を上げていく治療法とは反対に、初期のうちからしっかり抗リウマチ薬
を使って関節の破壊を抑えていく治療法に変わったのです。
リウマチ情報センター｜ライブラリー
http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm400/library/guideline.htm

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