大豆 食べて運動 骨が丈夫に

骨粗鬆症の患者は1千万人以上いると言われ、増加傾向にある。
患者の8割は女性で、特に閉経を迎えると急激に骨量が落ちて骨粗鬆症になりやすい。
これは骨をもろくする破骨細胞の働きを抑えていた女性ホルモンが急激に減ることが
原因の一つとされる。
 
そこで期待されるのが、女性ホルモンと構造が似ている大豆イソフラボンだ。
国立健康・栄義研究所の生体指標プロジェクトリーダー石見佳子さんらは、閉経後1~5
年の136人を、大豆イソフラボンの摂取と週3回、45分のウオーキングをするグルー
プ、しないグループの4組に分け、太ももにあるワーズ三角部と呼ばれる骨の代謝が活発
な部分の骨密度を調べた=グラフ。

何もしないグループは1年後に2%近く低下したのに対し、イソフラボンと運動を導入した
グループは、ワーズ三角部で最も骨密度が増加した。
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骨は負荷をかけることで強くなる。
石見さんは「閉経後の女性でも、栄養バランスのいい食事と大豆食品をしっかり取って
運動すれば、骨密度の低下を抑えられる可能性がある」と話す。
イソフラボンは食べて24時間以内に尿として出るため、毎日取ることが大事だ。
 
2006年の国民栄養調査によると、1日に取る豆類は1人平均56グラム。
厚労省が推進する「健康日本21」では、大豆を含む豆類は1日100グラム取ることを
目標にする。
石見さんは「若い人も大豆製品を1日にもう1品増やして」。
閉経後の女性なら1日に2,3品は食べたい。
 
大事なのは運動だ。
「週2,3回、急ぎ足で30分強歩いて」と石見さん。これが最大の難関かもしれない。

出典 朝日新聞・朝刊 2008.9.29
版権 朝日新聞社

<関連サイト>
閉経後女性の骨密度と身体組成に対する大豆イソフラボンと運動の併用効果
http://www.linkdediet.org/hn/modules/pico/index.php?content_id=177
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出典:Wu J, Oka J, Tabata I, Higuchi M, Toda T, Fuku N, Ezaki J, Sugiyama F, Uchiyama S, Yamada K, Ishimi Y: Effects of isoflavone and exercise on BMD and fat mass in postmenopausal Japanese women: A 1-year randomized placebo-controlled trial. J Bone Miner Res 21: 780-788, 2006.



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