キノコ中毒

数日前、中年のご夫婦が紹介状を携えて来院されました。
診察の際7に紹介状を見ると「きのこ中毒」の病名が。
内容は、日中きのこを採取して夕食で食べて、2時間後に激しい嘔吐があり救急車で救急
外来を受診したとのこと。
経過観察のために入院となり、半月後の肝障害の有無を貴院でお願いしたいとのこと
でした。
当院で採血検査を行いましたが、結果は異常ありませんでした。

ご本人達は、毎年きのこ狩りを楽しみにしている「ベテラン」で、すべてのきのこの名前
を知っているようでした。
食べたきのこはムラサキシメジ、ショウゲンジサクラシメジアメリカウラベニイロガワリ、
キンチャヤマイグチ、ハナイグチ、ナラタケとのこと。
どれかが違っていたと思われます。

  ■ □ ■

秋になるとキノコ中毒に関するニュースが増えてきます。
食用キノコと中毒をおこすキノコとの区別は難しく、素人判断で食べるのは危険です。

キノコ中毒の特徴は、「食べられる」と思って摂食し、症状が出て初めて受診する場合が多く、
原因物質の特定がきわめて難しい点にあります。
毒性はキノコによりさまざまで、同群のキノコでも種、季節、産地により有毒成分の含有量
が異なります。
また種類が多い上、同種でも地域や季節により外観が異なることもあり、その鑑定は容易
ではありません。

もしも中毒症状が出たり、症状がなくても一緒に食べた人に症状がみられる場合や有毒
キノコを食べた可能性がある場合は、必ず病院を受診してください。
受診する際には、キノコの現物や調理したものなどを持参し、キノコの形態、採取場所、
調理方法、摂取量、摂取時刻、他に食べたもの、症状とその発現時刻、他にも食べた人が
いるかどうかなど医師等に詳しく伝えましょう。

私はこわいので、キノコ狩りには行きません。
そして行く気もありません。

キノコ中毒
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/kinoko/tyudoku.html
イメージ 1

                         クサウラベニタケ(毒)
                         地味な色をしていますが毒キノコです。


イメージ 2

                         タマゴタケ(食)
                         鮮やかですが、食べられます
                         (でも食欲をそそりませんね)


キノコ狩りシーズン 食中毒に注意 長野
http://sankei.jp.msn.com/region/chubu/nagano/081002/ngn0810020258000-n1.htm
食欲の秋、行楽の秋。長野県民にとってはキノコ狩りのシーズンでもある。
特に近年は自然志向や健康ブームもあって、キノコを求めて出掛ける人は増えている
という。
しかし、うっかり鑑別を間違えると食中毒という危険も潜んでいる。

一家4人がキノコ中毒 ひたちなか
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20081010/CK2008101002000072.html
県は九日、ひたちなか市の十代の男女三人と四十代女性の一家四人が六日夕にキノコを食べ、
腹痛などの食中毒症状を訴えたと発表した。
県は四人が食べたキノコを有毒のクサウラベニタケと推定。
「秋の味覚」の本格的なシーズンを前に、見た目が似ている食用のウラベニホテイシメジ
と誤食しないよう注意を呼び掛けている。
県によると、四人は親族からキノコをもらい、自宅でいためて焼きうどんに入れて食べた。
直後に吐き気や腹痛を訴え、うち三人が医療機関で受診。現在は回復している。
五日にも、つくば市の五人がウラベニホテイシメジを間違えて食べ、食中毒になっている。

食中毒:2人が毒キノコ中毒 テングダケだしで /香川
http://mainichi.jp/area/kagawa/news/20081004ddlk37040724000c.html
県内で毒キノコによる食中毒が発生したため、県は「専門的知識なしに食べることは避けて」
と注意喚起している。
県生活衛生課によると、先月28日、丸亀市内の30代女性2人が毒キノコ「テングダケ
などから取っただしでおかゆを食べたり、だしを飲んだりして発症。
うち1人は一時意識混濁状態となり入院した。2人は既に回復したという。
同課によると、テングダケは傘の部分にある点の模様が特徴。県内でキノコによる食中毒
は98年以来10年ぶりで、テングダケによるものは、記録が残る75年以降では初めてという。

金沢市の公園の毒キノコ食べ男性中毒症状
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20081015-419334.html
金沢市は15日、市内の30代の男性会社員が毒キノコの「イボテングタケ」を食べて、
めまいや吐き気などの食中毒症状を起こしたと発表した。
症状は軽く、回復に向かっているという。
金沢市保健所によると、男性は14日午前、同市湊3丁目の公園でイボテングタケを発見。
食用キノコと勘違いして約10本を採取して自宅に持ち帰り、昼食時に自分で調理して食べた。
イボテングタケテングタケの近縁種で、松などの針葉樹の下に生え、毒性は強くないという。



<番外編>
「美しくも短く燃え」という映画があります。
あの美しい「モーツァルトのピアノコンチェルト第21番第2楽章」が効果的に使われています。
キノコでなく木の実だったかも知れませんが、食べて中毒を起こすシーンが印象的でした。

「ピアノ協奏曲第21番第二楽章」(モーツァルト
「 短くも美しく燃え」(エルビラのテーマ)
http://e-sheltie.com/song&music/box/mijikaku.html