ギラン・バレー症候群

ギラン・バレー 発症前、7割に感染症

ギラン・バレー症候群(GBS)は、脳からの情報を筋肉などに伝える末梢神経が侵されて、まひやしびれなどが出る病気だ。
患者は人口10万人あたり年間1人程度で男性にやや多い。
 
重症だと全身がまひしたり、人工呼吸器が必要になったりすることもある。
手足のしびれが急速に進行したり、1日以上続いたりした場合は、なるべく早く神経内科を受診する必要がある。
 
原因はウイルスや細菌など外敵から身を守るために反応する免疫の仕組みが、誤って自らの神経を攻撃してしまうためと考えられている。
実際、患者の約7割で発症前の4週間以内に下痢や風邪など感染症の症状がみられる。
 
病原体が特定できた例では、ニワトリやウシなどの腸管にいる細菌「カンピロバクター」が多い。
カンピロバクターの食中毒は近年、日本で起きている細菌が原因の食中毒の中では最も発生件数が多くなっている。
年間約300件、患者数は2千人ほどで推移している。
 
感染すると1~7日で、下痢、腹痛、発熱などの症状が出る。
多くの患者は約1週間で治るが、1千人に1人程度の割合でGBSを発症するとの報告もある。
 
カンピロバクターは特に鶏肉から見つかることが多い。
予防のためには、肉料理は十分に加熱する必要がある。
 
自宅で料理する際の注意点として、
・肉は中心部が白くなるまで十分に加熱する
・サラダなど生で食べるものは肉より先に調理し、まな板や包丁を介した感染を避ける
・肉を調理した器具は洗浄・殺菌する
といった対策を徹底する。
 
飲食店で出されたものも、安全とは限らない。
カンピロバクターによる食中毒は飲食店で多く起きている。
鶏刺しや鶏のたたき、加熱不十分な焼き鳥など加熱用原料を使った生、半生の料理は食べないようにする。
 
患者や家族約80人が登録する「ギラン・バレー症候群 患者の会」は、ホームページで情報を提供している。
http://gbsjpn.org/